ハクビシンの「繁殖期」はいつ?ハクビシンの繁殖期と対策を害獣駆除の専門家が解説

深夜に屋根裏から「トコトコ」と動物が走り回る足音や、「キーキー」といった甲高い鳴き声が聞こえる場合、ハクビシンが侵入している可能性があります。

ハクビシンは警戒心の強い東南アジア原産の動物ですが、民家の屋根裏は外敵や寒さをしのぐ格好のねぐらとなります。

特に警戒すべきなのが、屋根裏で子どもを産み、数が急増するケースです。一度繁殖されると家族単位で居ついてしまい、糞尿による悪臭や天井の腐食、ダニ・ノミの発生といった被害が一気に加速します。

本記事では、害獣駆除の専門家がハクビシンの繁殖期などの生態、子どもの特徴、屋根裏が狙われる理由、効果的な対策を分かりやすく解説します。被害の予防や早期解決にぜひお役立てください。

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ハクビシンの繁殖期と生態

ハクビシンが最も活発に出産や子育てを行う時期は、春から秋(3月~11月頃)にかけてです。まずは、その生態と繁殖に関する基本的なデータを把握しておきましょう。

 

ハクビシンの繁殖期と基礎データ

ハクビシンは、条件さえ整えば1年を通していつでも出産が可能な「周年繁殖(しゅうねんはんしょく)」という特性を持っています。

とはいえ、冬が終わって暖かくなり、果実や昆虫などのエサが豊富になる3月〜11月が出産の最盛期です。

特に初夏から秋(5月〜10月頃)にかけては出産が集中し、子育てのために活動も活発化するため、害獣駆除業者への相談件数も急増します。

妊娠期間は約2ヶ月と比較的短く、1回につき2〜4頭ほどを出産します。なお、気密性や断熱性に優れた現代の住宅は、屋根裏が冬でも暖かく快適に保たれるため、本来の繁殖期以外に出産するケースも確認されています。

ハクビシンの繁殖に関する基礎データをまとめると、次のようになります。

項目 ハクビシンの生態
主な繁殖ピーク 春〜秋(特に5月〜10月) ※条件次第で通年可能
妊娠期間 約2ヶ月(50〜60日前後)
1回の出産頭数 2~4頭が多い(最小で1頭、最大で5頭程度)
年間の出産回数 通常1回 ※条件次第で年2回
性成熟までの期間 生後10~12ヶ月

 

ハクビシンの成長サイクル

ハクビシンの子どもは成長スピードが非常に速く、短期間で成獣並みの体格へと育ちます。

生後10日前後:目が開きはじめ、巣の中を動き回るようになる
生後1月前後
:母親について巣の外を歩き回るようになり、自力での排泄も可能になる
生後2月前後
:離乳して成獣と同じ食生活になり、木登りができるようになる
生後3ヶ月前後
:成獣と同程度の体格・体重に成長する
生後10~12
:性成熟を迎え、自らも妊娠・出産が可能になる

子別れの時期は明確ではなく、母親と同じような体格になってからも、しばらくは一緒に行動している様子が見られます。

また、ハクビシンの寿命は野生で10年前後、飼育下では20年を超える例も珍しくありません。

こうした成長サイクルの速さから、ハクビシン被害の深刻さがうかがえるのではないでしょうか。もし屋根裏での繁殖を許してしまうと、生まれた子どもが翌年には繁殖可能になるため、放置すれば家族が爆発的に増加し、被害も一気に深刻化してしまいます。

 

ハクビシンの子どもの特徴

屋根裏に潜む動物がハクビシンの子どもかどうかは、次の特徴で見分けることができます。

 

特徴①:小鳥や子猫のような鳴き声

姿や足跡を直接確認できなくても、屋根裏でハクビシンが繁殖していると、子どもの鳴き声が聞こえてくることがあります。

成獣は威嚇する時以外はほとんど鳴きませんが、子どもは「チッチッチッ」「ピィピィ」といった小鳥のような声や、「キーキー」「ミーミー」といった甲高い甘え声で頻繁に鳴きます。

 

特徴②:顔の中心に白い縦線

まだ幼い子どもであっても、額から鼻先にかけてハクビシン特有の白い一本の縦線が入っています。

また、尾が体と同じくらい長く、スラっとしたシルエットをしているのも特徴です。

 

特徴③:成獣より一回り小さな足跡

成獣の足跡は全長4cm〜5cmほどですが、子どもの足跡はそれよりも一回り小さくなります。屋根裏に入ると、ホコリの上に小さな足跡を確認できることがあります。

また、ハクビシンは前後の足の指がどちらも「5本」あり、足跡にもはっきりと残ります。この点から、足跡が似ていても指が4本の犬や猫、タヌキなどと区別することができます。

アライグマの足跡

 

ハクビシンの子どもの生態については次の記事でも詳しく解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

ハクビシンは冬場に何をしている?

ところで、出産が少なくなる冬の間、ハクビシンはどのような行動をとっているのでしょうか。

「野生動物なのだから冬になれば山に帰る」「冬眠する」と思われがちですが、東南アジア原産のハクビシンには冬眠する習性がありません。

むしろ寒さに弱く、真冬でも体温を保つ必要があるため、エサを求めて活発に活動し続けます。そのため、過酷な寒さをしのぐシェルターとして、民家の暖かい屋根裏に入り込みます。

冬場は気温が下がりきる前の夕方から日没直後にかけて庭木の果実や生ごみなどのエサを手早く食べ、夜間は暖かい屋根裏で身を寄せ合って過ごします。この越冬期間中に交尾・妊娠を経て、春先に出産するケースが多いため、冬の時期に屋根裏から足音が聞こえる場合は厳重な警戒が必要です。

冬のハクビシンの生態については次の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

 

ハクビシンの繁殖場所は「屋根裏」が圧倒的に多い

住宅街に生息するハクビシンは、出産や子育ての場所として民家の屋根裏を非常に好みます。その主な理由は以下の4点です。

外敵を遮断できる: アライグマや猛禽類などの天敵が侵入できず、子どもの安全を確保できます
過酷な気候を避けられる: 雨風にさらされず寒暖差も小さいため、体温調節が未熟な子どもが生存しやすい環境です
断熱材を巣にできる: 根裏に敷き詰められた断熱材を引きちぎることで、真冬でも暖かい快適な巣を作ることができます
エサ場が近い: 庭木の果実、家庭菜園、生ごみなど、人間の生活圏には1年を通して栄養豊富なエサが揃っています

ハクビシンは頭さえ通れば、直径8cm程度(握りこぶし大)のわずかな穴や隙間からも家屋へ侵入してしまいます。屋根の重なり部分や軒下の隙間、換気口の破損部分などが侵入経路となるケースがよく見られます。

このように、屋根裏はハクビシンにとって安全で快適な条件がすべて揃っているため、一度繁殖場所に選ばれてしまうと、自発的にいなくなることはまずありません。

ハクビシンの赤ちゃん
屋根裏で見つかったハクビシンの子ども

 

ハクビシンが屋根裏で繁殖すると起こる被害

もし自宅の屋根裏などでハクビシンが繁殖し、子どもが生まれてしまった場合、どのような被害が発生するのでしょうか。代表的な3つの被害について順に解説します。

 

被害①:屋根裏からの足音・鳴き声による騒音被害

ハクビシンは夜行性の動物であり、人間が寝静まる深夜に活動を開始するため、夜間に激しい騒音が発生するケースが多々あります。以下の動画は、夜間の屋根裏の様子を捉えた実際の映像です。

ただし、先述の通り屋根裏にハクビシンの子どもがいると、親がエサを求めて昼間でも動き回るようになります。その結果、昼夜を問わずバタバタという足音や甲高い鳴き声が響き渡ることになります。

実際に被害に遭われた方からは、「騒音が気になって精神的に追い込まれている」といった深刻なご相談を数多くいただきます。

こうした騒音被害は、睡眠の質を著しく低下させて不眠症を引き起こすだけでなく、慢性的なストレスや神経症へ繋がり、心身の健康を害する大きな要因となります。

 

被害②:溜め糞による悪臭、天井板の腐食・損傷

ハクビシンの子どもは、生後1ヶ月前後から自力で排泄を行うようになります。ハクビシンには、特定の場所に集中して排泄を行う溜め糞(ためふん)という習性があり、屋根裏に住み着かれると、同じ場所に大量の糞尿が積み重なっていきます。当然ながら、成獣のハクビシン単体よりも、繁殖して頭数が増えた方が糞尿のが溜まるスピードは早くなります。

ハクビシンの糞尿は強烈な悪臭を放つだけでなく、その水分が天井板まで染み込んで「天井染み」を引き起こします。

最悪の場合、糞尿の水分やアンモニア成分によって天井板が腐食し、強度が著しく低下してしまいます。その結果、糞尿やハクビシン自身の重みに耐えきれなくなり、天井が突然抜け落ちてしまうケースもあります。

ハクビシンのフンで天井が抜けそうな住宅
抜けそうになっている天井板

こうなると、ハクビシンの駆除費用だけでなく、天井板の張り替えや壁紙(クロス)の交換、消毒作業など、高額な住宅リフォーム費用が発生してしまいます。

 

被害③:ダニ・ノミ・病原菌による深刻な健康被害

ハクビシンの体にはダニやノミが寄生していることが多く、生まれたばかりの子どもであっても例外ではありません。ハクビシンが屋根裏に住み着くと、これらの寄生虫が天井の隙間などから室内に侵入し、人間やペットに被害をもたらす恐れが生じます。

また、放置された糞尿には多数の病原菌やウイルスが潜んでいます。乾燥したフンが粉々になって微細な粉塵(ふんじん)と化し、それを人間が吸い込んでしまうと、高熱や激しい下痢、嘔吐といった深刻な感染症を引き起こす危険性があります。

屋根裏でハクビシンの数が増えるほど、このような健康被害のリスクが高まります。

 

被害④:断熱材の損壊による住宅の断熱性能低下

ハクビシンに荒らされた断熱材

ハクビシンは、屋根裏に敷き詰められている断熱材を格好の寝床や繁殖場所に選びます。ハクビシンの親子に一度巣を作られる(営巣)と、断熱材をボロボロに引きちぎって身を隠すスペースを作られたり、その上で繰り返し排泄をされたりと、広範囲にわたって荒らされる被害が発生します。

断熱材が損壊すると、外気の影響を受けやすくなり、冬場に暖房の効きが悪くなったり、特定の部屋だけが冷え込んだりするなど、住宅の断熱・保温性能が著しく低下してしまいます

さらに、荒らされた断熱材は再利用できないため交換が必要となります。新しい断熱材の購入費用や、屋根裏への設置工事費用といった経済的負担も発生してしまいます。

 

被害⑤:庭の果樹や生ゴミ、ペットフードへの被害

荒らされたゴミ置き場

ハクビシンは好むエサの範囲が非常に広い「雑食性」の動物です。そのため、庭に実った果樹はもちろん、集積所に並ぶ生ゴミ、屋外に放置されたペットフードなど、身の回りにあるあらゆるものが格好のエサになってしまいます。

特に天井裏に子どもがいる(繁殖している)場合は、家族全員分の大量のエサが必要となります。そのため、一度でも「ここにエサがある」と学習した場所には執拗に現れるようになり、被害が深刻化することがあります。

ハクビシンの危険性やその他の被害などについては以下の記事で詳しく解説しています。

 

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ハクビシンの繁殖を防ぐ方法

こうしたハクビシン被害を防ぐためには、どのような対策を行うべきでしょうか?家庭ですぐに取り組める具体的なポイントを順に解説していきます。

 

対策①:侵入経路を徹底的に遮断する

ハクビシンは「ねぐら」にできる安全な場所を常に狙っています。ハクビシンから家を守るための最も重要で効果的な対策は、物理的に「侵入経路を断つこと」です。

ハクビシンは、直径9cm程度(人間の握りこぶし大)のわずかな隙間があれば侵入してしまいます。特に狙われやすい場所は以下の通りです。ご自宅に隙間や穴が空いていないか、今一度チェックしてみましょう。

・屋根の重なり
・軒下(のきした)
・床下換気口
・換気扇の排気口、エアコンの配管周り

こうした箇所に穴や隙間を見つけたら、金網やパンチングメタルなどを用いて確実に封鎖(穴塞ぎ)をすることが重要です。

ハクビシンの侵入経路の探し方や具体的な塞ぎ方については、以下の記事で実際の画像付きで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

対策②:生ゴミやペットフードを厳重に管理する

収納ボックス

都市や住宅街に住むハクビシンは、人間の生活圏にある食べ物を狙っています。

最も重要なのは、ハクビシンに「この家に行けば餌がある」と学習させないことです。一度でも餌にありつければ、彼らはその場所を餌場として記憶し、近くにある屋根裏などへ定着する可能性が高まります。

ご家庭で取り組める具体的な対策は以下の通りです。

生ゴミの放置厳禁:庭先などに置く場合は、必ず鍵やロックがかかる蓋付きの頑丈なコンテナに保管しましょう。

ペットフードの回収:餌皿を屋外に置きっぱなしにせず、食べ終わったらすぐに片付けるか、保管場所を室内へ移動させましょう。

庭の果実の処理:庭木に残った柿やミカンなどの実は、ハクビシンを呼び寄せる最大の原因です。早めに収穫し、落果した実は速やかに処分しましょう。

 

対策③:忌避剤(きひざい)を活用して寄り付かない環境を作る

ホームセンターやネット通販では、ハクビシンが嫌がる天敵の臭いや刺激成分を含んだ「害獣専用の忌避剤」が市販されています。これらを家の周囲や侵入されそうな場所に設置することで、ハクビシンを遠ざける効果が期待できます。

また、ハクビシンは嗅覚が非常に鋭いため、以下のような強い刺激臭も苦手としています。

刺激物:トウガラシ(カプサイシン)、タマネギ、木酢液(もくさくえき)
植物:ミントなどのハーブ類、ラベンダー

こうした「嫌いな匂い」を配置し、ハクビシンにとって居心地の悪い環境を作り出すことが重要です。

 

ハクビシンが繁殖した場合の対処方法

それでは、もしハクビシンの子どもを見つけたら、どのように対処すれば良いのでしょうか。具体的な手順を順に解説します。

 

対処法①:自治体に相談する

自宅の屋根裏などにハクビシンの子どもがいるかもしれないと思ったら、まずはお住まいの自治体(市区町村役場)に相談しましょう。多くの自治体が、ハクビシン捕獲用の罠(わな)の貸し出しや、捕獲した個体の回収などを無償で支援しています。

相談する際は「ハクビシンの子どもがいる可能性がある」と伝え、どのような支援を受けられるか確認してください。

なお、ハクビシンの子どもは捕獲支援の対象外となるケースや、そもそも自治体に支援制度自体がない場合もあります。その際は、次の対処法を検討しましょう。

 

対処法②:害獣駆除業者に依頼する

自治体の支援を受けられない場合や、すでに糞尿(ふんにょう)被害などが起きており、駆除から今後の予防まで一括で行いたい場合は、ハクビシンに対応している害獣駆除業者に相談しましょう。

専門の害獣駆除業者であれば、子どもがいる状態での駆除にも慣れているため、スムーズに作業を進めてくれます。さらに、糞尿の清掃や消毒、侵入経路の封鎖といった、二次被害や再発の防止まで徹底して任せられるのが大きなメリットです。

ハクビシン駆除の費用相場については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

 

おわりに:できるだけ早く害獣駆除の専門家へ相談しましょう

ハクビシンは春から秋を中心に繁殖しますが、住宅の屋根裏という快適な環境を手に入れてしまうと、季節を問わず繁殖を繰り返す危険性があります。

生まれた子どもはわずか数ヶ月で成獣並みに成長し、同じ場所で再び繁殖を行うため、そのまま放置していると被害は雪だるま式に膨らんでいってしまいます。

「天井裏から物音や鳴き声がする」「異臭がする」と感じたら、すでに屋根裏で子どもが生まれている可能性も十分に考えられます。

ハクビシンの繁殖が疑われる場合は、被害が深刻化してしまう前に、できるだけ早い段階で害獣駆除の専門家へ相談することをおすすめします。

           

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執筆・監修者

執筆者 林 翔平

林 翔平

           

2012年株式会社セスコに入社し、これまで1,000件以上の害獣調査に従事。東京都ペストコントロール協会加盟。害獣駆除パートナーのコラム記事全ての執筆および監修を担当。

【保有資格】

・JPCA「ペストコントロール技術者1級」

・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」

・日本健康住宅協会「健康住宅アドバイザー」

創業39

安心の実績 51,207

※2026年3月末

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