「近所でハクビシンをよく見かける」「天井裏から足音や鳴き声がして怖い……」
そんな異変を感じて、「もしかして、自宅にハクビシンの巣ができているのでは?」と不安に思っていませんか?
ハクビシンは非常に警戒心が強い動物であり、住宅街でも外敵から身を守れる「屋根裏」などを隠れ家として好み、そこに巣を作ることがあります。
この記事では、ハクビシンが好む巣の場所や特徴、侵入被害の兆候、そして実際に巣を作られてしまった場合の正しい対処法について、プロの視点から詳しく解説します。

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目次
ハクビシンの「巣」は一体どこにある?

ハクビシンはもともと東南アジアなどの温暖な地域が原産で、本来は自然豊かな森の中で暮らしている動物です。
しかし日本では、近年この「すみか」が住宅街へと広がり、目撃情報が後を絶ちません。ハクビシンが巣を作る場所は、自然豊かな山林と、私たちの住む住宅街とでは大きく異なります。
自然環境の場合:高い木の上や岩陰が本来の「巣」
ハクビシンは自然環境において、高い木の上や岩陰、樹洞(木のうろ)など、外敵から身を守りやすい場所に巣を作ります。
木登りが得意なハクビシンにとって、地上から離れた高い場所は天敵に襲われるリスクが低く、安心して眠れる環境といえます。
住宅街の場合:住宅の屋根裏や床下に「巣」を作る
都市部や住宅街では、本来のすみかである木の上や岩陰の代わりに、住宅の屋根裏や床下、倉庫の隙間などが「巣」として狙われます。
こうした場所は雨風をしのげるうえ、天敵や人間の目にもつきにくいため、ハクビシンにとっては「木の上と同等、あるいはそれ以上に安心できる環境」なのです。
また、ハクビシンは一つの巣に固執せず、複数の隠れ家を使い分ける習性があります。そのため、「昨日は足音がしたのに、今日は静かだ」という場合でも油断は禁物です。別のねぐらに移動しているだけで、再び戻ってくる可能性が高いです。
「これってハクビシンの巣?」見分けるための3つの特徴
もし屋根裏や床下、倉庫などで「動物の巣らしきもの」を見つけた場合、それがハクビシンのものか気になりますよね。実は、ハクビシンの巣にはいくつか分かりやすい特徴があります。
以下の3つの特徴が当てはまる場合、ハクビシンが巣を作っている可能性が高いです。
特徴①:糞が山積みになっている。果実の種もヒントに
ハクビシンの糞は、全長5〜15cmほどの丸みを帯びた棒状をしています。
ハクビシン特有の習性に「溜め糞(ためふん)」があります。これは巣の近くの決まった場所に何度も排泄を繰り返す行動で、放置すると糞が山のように積み重なってしまいます。


また、糞の中にハクビシンの好物である「果実の種」が混ざっていることが多いのも大きな特徴です。もし巣の近くにこのような糞があれば、ハクビシンが住み着いている可能性は極めて高いと判断できます。
糞の形状や被害の詳しい見分け方については、以下の記事もぜひ併せてご覧ください。
特徴②:足跡の「5本の指」が決定的な証拠
ハクビシンの足跡は全体的に丸みを帯びており、大きさは全長4~5cmほどです。
最大の特徴は「5本の指」があること。タヌキや犬、猫など、ハクビシンと間違いやすい中型動物の足跡は指が4本であることが多いため、指の数を確認するだけでハクビシンかどうかを簡単に見分けることができます。

もし屋根裏の入り口や家の周囲で「5本指」の足跡を見つけたら、近くにハクビシンが潜んでいる可能性が極めて高いといえます。

足跡の探し方や、他の動物との見分け方については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
特徴③:断熱材が荒らされている
住宅の屋根裏にハクビシンが棲みつくと、屋根裏に敷設していた断熱材が引きちぎられ、あちこちに散乱しているケースが非常に多く見られます。


屋根裏を覗いた際に、これらの画像のように断熱材がひどく荒らされている場合は、ハクビシンが巣を作っている可能性が高いです。
もっとも、アライグマなど他の動物でも同様の被害が発生します。断熱材被害は「何らかの害獣が侵入している証拠」と捉えてください。
ハクビシンが住宅に侵入した場合の被害
それでは、ハクビシンが住宅に侵入し巣を作ると、どのような被害が起こるのでしょうか?代表的な事例を詳しく解説します。
被害①:屋根裏からの足音・鳴き声による騒音被害
ハクビシンは夜行性の動物のため、人間が寝静まった深夜に活動を本格化させます。
ハクビシンが屋根裏に入り込むと、ドタバタと走り回る大きな足音や、激しい鳴き声が室内にまで響き渡ります。ハクビシンは体重が3〜4kgほどあり、その足音は想像以上に大きく、放置すれば毎晩のように繰り返されます。
被害に遭われた方からは、「騒音で眠れず、精神的にも追い詰められている」という切実な声を多くいただきます。こうした深夜の騒音は睡眠の質を著しく低下させ、不眠症や神経症、慢性的なストレスなど、心身の健康を損なう要因となります。
被害②:溜め糞(フン)による悪臭、天井板の腐食・損傷
次の画像は、屋根裏に蓄積されたハクビシンの糞(フン)の重みで、天井板が今にも抜け落ちそうになっている様子です。

ハクビシンには、特定の場所に集中して排泄を行う溜め糞(ためふん)という習性があります。一度屋根裏に住み着かれると、同じ場所に大量の糞尿が積み重なります。強烈な悪臭を放つだけでなく、水分が天井板まで浸透して「天井染み」を引き起こします。

放置が続くと天井板そのものが腐食して強度が低下し、最悪の場合は重みに耐えきれず抜け落ちてしまうこともあります。こうなると、害獣の駆除費用だけでなく、天井板の張り替えや壁紙(クロス)の交換といった高額な住宅リフォーム費用が発生してしまいます。
ハクビシンによる天井シミの被害については以下の記事でも解説しています。
被害③:ダニ・ノミ・病原菌による深刻な健康被害

ハクビシンの体には多くのダニやノミが寄生しています。彼らが屋根裏に侵入することで、天井の隙間などから室内に移動し、人間やペットに被害をもたらすリスクが非常に高まります。
また、放置された糞尿には数多くの病原菌やウイルスが潜んでいます。乾燥したフンが砕けて微細な粉塵(ふんじん)となり、それを吸い込むことで、高熱や激しい下痢、嘔吐といった深刻な感染症の症状を引き起こす危険性があります。
屋根裏の異変に気づいても、ご自身で不用意に近づいたり、糞に触れたりすることは絶対に避けてください。
被害④:生ゴミやペットフードなどへの食害

ハクビシンは非常に雑食性が強く、人間が排出した生ゴミや、屋外に放置されたペットフードなども格好の餌食となります。
ゴミ箱が荒らされたり、玄関先に置いていた餌が食べられたりといった被害は、ハクビシンがその家を「効率よく餌が手に入る場所」として学習するきっかけになります。一度味を占めると、そのまま屋根裏への侵入や定着に繋がるケースも少なくありません。
被害⑤:断熱材の損壊

前述の通り、ハクビシンは屋根裏にある断熱材を格好の巣にします。断熱材をボロボロに引きちぎって巣の材料にしたり、その上で排泄を繰り返したりすることで、広範囲にわたって荒らされる被害が多発します。
断熱材が損壊すると、暖房の効きが悪くなったり、特定の部屋だけ冷え込んだり等、住宅本来の断熱性能が著しく低下します。
また、断熱材の全面交換が必要になれば、多額の補修費用も発生してしまいます。
断熱材の交換を含む駆除費用の相場などは以下の記事をご覧ください。

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ハクビシンの巣を住宅に作らせない対策
住宅にハクビシンの巣を作らせないためには、ハクビシンを住宅に近付けない・侵入させないことが重要です。被害が起こる前の対策としては、以下のようなものがあります。
対策①:侵入経路を徹底的に遮断する

ハクビシンは巣作りに最適な安全な環境を探し回ります。そのため、ハクビシンから家を守るための最も重要で効果的な対策は、物理的に「侵入経路を断つこと」です。
ハクビシンは、直径9cm程度(人間の握りこぶし大)のわずかな隙間があれば侵入してしまいます。
特に狙われやすい場所は以下の通りです。ご自宅に隙間や穴が空いていないか、今一度チェックしてみましょう。

・屋根の重なり
・軒下(のきした)
・床下換気口
・換気扇の排気口、エアコンの配管周り
こうした箇所に穴や隙間を見つけたら、金網やパンチングメタルなどを用いて確実に封鎖(穴塞ぎ)をすることが重要です。
ハクビシンの侵入経路の探し方や具体的な塞ぎ方については、以下の記事で実際の画像付きで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
対策②:生ゴミやペットフードを厳重に管理する

都市部や住宅地に住むハクビシンは、人間の生活圏にある食べ物を狙います。
この時期に最も重要なのは、ハクビシンに「この家に行けば餌がある」と学習させないことです。一度でも餌にありつければ、彼らはその場所を餌場として記憶し、近くにある屋根裏などへ定着する可能性が高まります。
ご家庭で取り組める具体的な対策は以下の通りです。
生ゴミの放置厳禁:庭先などに置く場合は、必ず鍵やロックがかかる蓋付きの頑丈なコンテナに保管しましょう。
ペットフードの回収:餌皿を屋外に置きっぱなしにせず、食べ終わったらすぐに片付けるか、保管場所を室内へ移動させましょう。
庭の果実の処理:庭木に残った柿やミカンなどの実は、ハクビシンを呼び寄せる最大の原因です。早めに収穫し、落果した実は速やかに処分しましょう。
対策③:忌避剤(きひざい)を活用して寄り付かない環境を作る

ホームセンターやネット通販では、ハクビシンが嫌がる天敵の臭いや刺激成分を含んだ「害獣専用の忌避剤」が市販されています。これらを家の周囲や侵入されそうな場所に設置することで、ハクビシンを遠ざける効果が期待できます。
また、ハクビシンは嗅覚が非常に鋭いため、以下のような強い刺激臭も苦手としています。
刺激物:トウガラシ(カプサイシン)、タマネギ、木酢液(もくさくえき)
植物:ミントなどのハーブ類、ラベンダー
こうした「嫌いな匂い」を配置し、ハクビシンにとって居心地の悪い環境を作り出すことが重要です。
ハクビシンの巣が住宅に作られた場合の対処法
既にハクビシンに巣を作られてしまった場合は、適切な手順でハクビシンの駆除と再発防止を行う必要があります。
手順①:屋根裏のハクビシンを確実に「追い出す」

まずは、屋根裏に巣を作ったハクビシンを完全に家の外へと追い出す作業から始めます。
天井を叩くなどの大きな音に驚いて一時的に姿を消すこともありますが、これだけでは壁の隙間や床下へ逃げ込むだけで、根本的な解決に至らないケースが多々あります。
ご自身で実施される場合は、ホームセンターなどで販売されている害獣専用の燻煙材(くんえんざい)を複数用意するのが効果的です。
この際、ハクビシンに逃げ場を与えないよう、屋根裏だけでなく床下など隠れ場所になりそうな箇所で同時に使用することが非常に重要となります。もし一部の場所だけで使用してしまうと、家の中を移動するだけで居座り続けてしまうため注意が必要です。
市販の商品を使った具体的な追い出し方法や、今すぐできる応急処置については、以下の記事で詳しく解説しています。
また、今すぐに応急処置的に追い出す方法については以下の記事でまとめています。
手順②:侵入経路を完全に封鎖(穴塞ぎ)する

前述の通り、屋根裏にハクビシンが侵入している場合、住宅のどこかに必ず侵入口となる穴や隙間が存在します。まずはこれらを特定し、封鎖作業を行いましょう。
ここで最も重要な注意点は、ハクビシンが建物内に残っている状態で穴を塞がないことです。万が一閉じ込めてしまうと、パニックを起こして暴れたり、最悪の場合は餓死して死骸となり、強烈な悪臭や害虫の大量発生といった「二次被害」を招く恐れがあります。
穴を塞ぐ際は、ハクビシンが完全に屋外へ出て行ったことを必ず確認してから作業を行ってください。
手順③:糞尿を清掃する

ハクビシンは決まった場所に排泄する「溜め糞」の習性があるため、ハクビシンが侵入していた場合、屋根裏や床下の一部に大量の糞尿が蓄積している可能性が高いです。
これらを放置すると、強烈な悪臭や建材の腐食(染み)、さらにはダニ・ノミといった害虫の発生源となります。衛生的な環境を取り戻すためにも、速やかに清掃を行いましょう。
ハクビシンのフンの見分け方や具体的な清掃方法については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
手順④:侵入場所の殺虫・殺菌消毒を行う

ハクビシンの体にはダニやノミが寄生しており、宿主(ハクビシン)がいなくなった後は、新たな吸血源を求めて室内に移動し、人間に健康被害を及ぼす恐れがあります。
ハクビシンを追い出したら、速やかに害虫用の燻煙剤(くんえんざい)などを活用して、屋根裏や床下を隅々まで殺虫消毒しましょう。
また、ハクビシンの糞尿には多くの病原菌やウイルスが含まれています。殺虫と併せて、アルコール(エタノール)等を用いた殺菌消毒を徹底することで、衛生面のリスクを最小限に抑えることができます。
こうしたハクビシン駆除の手順やよくある失敗例については以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
ハクビシンの「無許可の捕獲」は法律違反になるため要注意!

被害が深刻だと、つい「自分で捕まえてしまおう」と考えがちですが、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」で守られており、行政の許可なく捕獲や殺傷を行うことは固く禁じられています。
万が一、無許可で捕獲を行った場合、法律違反として「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」といった厳しい罰則が科される可能性があります。
捕獲にはお住まいの自治体への申請が必要ですが、許可が下りる条件や手順は地域によって異なります。まずは独断で行動せず、ルールを確認することが重要です。
ハクビシンの捕獲については以下の記事で詳しく解説しています。
ハクビシンの完全駆除は、個人では難しいのが実情

ここまで解説した手順で追い出しや衛生処理は可能ですが、これらすべてをご自身で完結させるのは非常に難易度が高いのが現実です。
例えば「侵入経路の封鎖」では、わずかな隙間も見逃さない専門的な知識が必要です。また、屋根の上や屋根裏などの高所・閉所での作業には、転落や怪我の危険も伴います。
さらに、プロが使用する専用薬剤や器材を用いなければ、完全に除菌・消臭しきれないケースも少なくありません。
確実に、そして安全に解決するためには、我々のような害獣駆除の専門業者へ依頼することを強くおすすめいたします。
次の記事では、優良な害獣駆除業者を選ぶコツを解説しています。ぜひご参考ください。
ハクビシン駆除を業者に依頼した場合の費用相場は?

ハクビシン駆除を専門業者に依頼する場合、その費用は住宅の広さや被害の進行状況によって変動します。
全国的な費用相場はおおよそ10万〜30万円ほどとなっており、業者によっては駆除後に中長期の再発保証が付与されるケースもあります。
ハクビシン駆除の費用相場や具体的な作業内容については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
また、当社「害獣駆除パートナー」が実際に手がけたハクビシンの駆除事例も公開しています。どのような作業を行い、どのような結果になったのか、以下のページよりご確認いただけます。
ハクビシンの巣に関するQ&A
Q.ハクビシンは地面に巣穴などを作りますか?
A.いいえ、ハクビシンは基本的に巣穴などを作りません。もしも地面に巣穴のようなものが空いている場合には、アナグマやモグラといった動物である可能性があります。ハクビシンとアナグマの違いについては以下の記事を参考にして下さい。
Q.巣にハクビシンの赤ちゃん(幼獣)がいたらどうしたら良いですか?
A.捕獲を狙います。巣の中に赤ちゃん(幼獣)がいる状態で追い出しを行うと、親のハクビシンだけが逃げて最悪のケースでは赤ちゃんが天井裏などで餓死してしまうケースがあります。巣の中に赤ちゃんがいる場合には、害獣駆除業者や市区町村に連絡をして捕獲をするようにしましょう。
Q.一つの巣の中に何匹くらい生息していますか?
A.1~5匹前後が多いです。ハクビシンは基本的に単独か親子グループで行動します。一度の出産で1~4匹生まれることが多いため、集団でも5~6頭程度であることが大半です。ただし繁殖を繰り返すと10匹以上になるケースもあります。気づいたときには手遅れにならないよう、早めの対処が重要です。













