「庭や道路でアライグマと遭遇した」
「天井裏や床下からガサガサ音がして、アライグマかもしれない」
近年、アライグマの目撃・被害報告は全国的に増加しており、都市部の住宅街でも珍しくなくなってきました。
もしアライグマを見つけても、興味本位で近づいたり、自己判断で捕まえたりするのは絶対にやめてください。アライグマは見た目に反して気性が荒く、感染症を媒介するリスクもある上に、「外来生物法」という特別な法律によってハクビシンやタヌキ以上に厳しく捕獲・飼育が制限されている動物です。
この記事では、「アライグマを見つけたらどうする?」をテーマに、絶対にやってはいけないNG行動、見つけた場所別の正しい対処法、そして「どこに連絡すれば良いのか」という疑問まで、専門的な視点から詳しく解説します。

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目次
アライグマを見つけても「絶対にNG」な行動とは?

アライグマは愛くるしい顔つきをしていますが、実際には気性が荒く、病原菌や寄生虫を保有している危険な野生動物です。
道端や庭先でアライグマを見かけても、以下の3つの行動は絶対に避けてください。
NG行動①:素手で近づいたり、触ったりする
アライグマは警戒心が強い一方で気性が荒く、追い詰められると威嚇したり、鋭い爪や歯で攻撃してきたりすることがあります。特に繁殖期・子育て中のメスは攻撃性が高まるため注意が必要です。
さらに注意したいのが「アライグマ回虫(バイリサスカリス)」という寄生虫です。感染したアライグマの糞には大量の虫卵が含まれており、乾燥した糞が粉塵化したものを誤って吸い込んだり口にしたりすると、まれに重い神経症状や視力障害を引き起こすことが報告されています。このほかにも、マダニやノミ、サルモネラ菌などを保有していることがあります。
「可愛いから」「動かないから危なくなさそう」といった油断は禁物です。見かけても手を出さず、距離を取って見守るようにしましょう。
NG行動②:無許可で捕獲・攻撃する

アライグマは日本の在来動物ではなく北米原産の外来種であるため、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(通称:外来生物法)」によって「特定外来生物」に指定されています。
さらに、野生鳥獣としての側面から「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」の規制も同時に受けるため、アライグマは2つの法律にまたがって管理されている、扱いが特に難しい動物です。
無許可で飼育・運搬・野外への放逐などを行った場合、外来生物法違反として個人には3年以下の懲役または300万円以下の罰金という重い罰則が科される可能性があります。無許可の捕獲についても、鳥獣保護管理法上の規制対象です。
「特定外来生物だから駆除してもよいだろう」と自己判断でわなを仕掛けたり、追い払おうと攻撃したりするのは絶対にNGです。目撃した場合は、後述する自治体窓口や専門の駆除業者に相談してください。
NG行動③:エサを与える

アライグマは雑食性が強く、果物や野菜、生ごみ、ペットフード、小動物や昆虫まで、あらゆるものを食料とします。
一度エサを与えてしまうと、「この場所に行けば食べ物にありつける」と学習し、その周辺を縄張りとして定着してしまいます。
いったん住み着かれると、糞尿による悪臭被害だけでなく、家屋への侵入や畑・果樹園への食害など、深刻なトラブルに発展するケースが少なくありません。「かわいそうだから」という気持ちからエサを与える行為は、結果的に被害を広げることにつながるため、絶対に控えましょう。
【場所別】アライグマを見つけたときの正しい対処法
アライグマを見つけたときの対応は、目撃した場所によって変わります。まずは落ち着いて状況を確認し、該当する対処法を参考にしてください。
場所①:庭・ベランダ・家庭菜園で見かけた場合

庭やベランダ、家庭菜園でアライグマを見かけた場合、放置していると天井裏や床下への侵入に繋がる恐れがあるため、早めの対策が重要です。
生ごみの放置、屋外に置きっぱなしのペットフード、収穫されずに残っている果樹の実などがあると、アライグマを引き寄せる原因になります。これらは片付けるか、アライグマの手が届かない場所へ移動させましょう。畑や家庭菜園を営んでいる場合は、電気柵や物理的なフェンスの設置も検討しましょう。(具体策は後述の「予防策」で詳しく解説します)
場所②:天井裏・床下に侵入された場合
天井裏や床下は、外敵から身を守れる安全な寝床として、アライグマが特に好んで住み着く場所です。一度定着すると、同じ場所に繰り返し排泄する「ため糞」の習性によって被害が急速に拡大します。
以下の動画では、アライグマが住宅の屋根裏に侵入した様子が捉えられています。
このような状況になると、単にアライグマを追い出すだけでは解決しません。侵入経路を完全にふさがなければ再び戻ってきますし、蓄積した糞尿は悪臭やダニ・ノミの温床となり、屋内の衛生環境を大きく悪化させます。清掃・消毒を含めた専門的な対応が不可欠なため、早めに害獣駆除の専門業者へ相談することをおすすめします。
場所③:路上・公園で見かけた場合
住宅から離れた場所でアライグマを見かけた場合、すぐに自宅が被害に遭う可能性は低いため、過度に恐れる必要はありません。アライグマは基本的に人を避ける性質があり、人の気配を感じると自ら立ち去っていくことがほとんどです。近づいて写真を撮ろうとしたり、追いかけたりせず、距離を保って見守りましょう。
ただし、犬の散歩中の遭遇には特に注意が必要です。 アライグマはハクビシンなどと比べても気性が荒く、実際に住宅街で散歩中の犬が突然噛まれる被害が各地で報告されています。多くは「鉢合わせ」による防御的な攻撃で、特に繁殖期・子育て中の個体は攻撃的になりやすい傾向があります。
犬の散歩中にアライグマと遭遇した場合には、犬を抱きかかえてアライグマから距離を取りましょう。万が一、ペットが噛まれたり引っかかれたりした場合は、自己判断せずに動物病院を受診してください。
アライグマを見つけたらどこに連絡する?【警察・役所・駆除業者】

アライグマと遭遇した場合に悩むのが、「どこかに連絡した方が良いのか?」という点です。結論から申し上げると、法律上どこかに連絡しなければならないというものはありません。
しかし、緊急性の高い事案や、ご自宅が被害を受けている場合などには、目的に応じて以下のように使い分けましょう。
【警察】人やペットに危険が迫っている緊急時
警察は基本的に野生動物の捕獲・駆除そのものを行う機関ではありません。ただし、通行人やペットに襲いかかりそうな状況など、人命や身体に危険が迫っている緊急時には、110番通報で対応してもらえる場合があります。あくまで「差し迫った危険がある場合」の連絡先と考えておきましょう。
【自治体】お庭や畑など自宅周辺で見かけた場合
アライグマは特定外来生物であるため、多くの自治体では「有害鳥獣捕獲許可申請」などの手続きを行うことで、捕獲用のわな(箱わな)を無料で貸し出す制度を設けています。担当窓口は「環境課」や「農政課」など自治体によって名称が異なるため、まずは総合窓口で確認するとスムーズです。
ただし、この制度はあくまで「捕獲わなの貸出」が中心であり、対応できる範囲は自治体によって差があります。屋根裏などにすでに侵入・定着してしまっているケースでは、わなの設置場所の判断や、追い出し後の侵入経路の封鎖、糞尿の清掃・消毒までは対応してもらえないことも多いのが実情です。「わなは借りられたが、結局どう使えばいいか分からない」「捕獲後の封鎖・清掃まではしてくれなかった」という声も少なくありません。事前に、対応してもらえる範囲を窓口でしっかり確認しておくことをおすすめします。
アライグマの捕獲については以下の記事で詳しく解説しています。
【駆除業者】屋根裏や床下に侵入された場合
屋根裏への侵入がすでに疑われる、糞尿被害が出ている、侵入経路をきちんと封鎖してほしいといった場合は、害獣駆除の専門業者が唯一、追い出しから侵入経路の封鎖、清掃・消毒まで一括で対応できる窓口です。
自治体のわな貸出だけでは解決しきらない部分をカバーできるため、ご自宅に被害が発生している場合は早めの相談をおすすめします。

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本当にアライグマ?似ている動物との見分け方

住宅周辺で中型の野生動物を見かけたとき、それがアライグマなのか、それとも別の動物なのかを見極めることは重要です。なぜなら、動物によって適用される法律や有効な対策が異なるためです。
アライグマの外見的な特徴は、「目元の黒いマスク模様」と「しっぽの縞模様」です。このような特徴を持っていたら、アライグマの可能性が非常に高くなります。
またアライグマの足跡は「5本指で人間の手のひらのような形」をしている事が特徴です。こうした足跡が残っている場合も、アライグマである可能性が高くなります。

さらに、アライグマの糞は棒状で長さ5cm〜15cm、太さ2cm〜3cm程度であることが特徴です。お庭や住宅の周辺で、こうした糞を発見したらアライグマの可能性を疑いましょう。

アライグマの足跡、糞の実際の画像や詳しい特徴などについては、以下のそれぞれの記事で詳しく解説しています。
またアライグマと混同されやすいハクビシンとの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
アライグマが住宅に棲み付いた場合の被害
アライグマが住宅に侵入・定着すると、放置した分だけ被害は深刻化していきます。対策を検討する前に、まずはどのような被害が起こり得るのかを知っておきましょう。
被害①:天井裏を走り回る大きな足音

アライグマは夜行性で、人が寝静まる深夜から活発に活動します。屋根裏に侵入すると、ドタドタと走り回る足音や独特の鳴き声が響き渡ります。
体重は4〜10kg程度とハクビシンよりも大きくなることがあり、その分足音も重く、大きく聞こえる傾向にあります。こうした夜間の騒音が続くことで、睡眠の質が低下し、不眠や強いストレスにつながるケースも少なくありません。
被害②:大量の糞尿による天井の腐食・悪臭
次の画像は、屋根裏に蓄積されたアライグマの糞(フン)の重みで、天井板が抜けそうになっている様子です。

アライグマには、決まった場所に排泄を繰り返す「ため糞」の習性があります。屋根裏の同じ箇所に糞尿が積み重なると、強烈な悪臭が発生するだけでなく、水分が染み込んで天井にシミができることがあります。放置すると天井板自体が腐食して強度が落ち、重みに耐えられず抜け落ちる危険性もあります。こうなると、駆除費用に加えて、天井や壁紙の張り替えといった高額なリフォーム費用が発生してしまいます。
被害③:断熱材の引き裂き・破損

屋根裏にある断熱材は、アライグマにとって格好の寝床です。爪でボロボロに引きちぎって巣材にしたり、その上で排泄を繰り返したりすることで、広範囲が損傷することがあります。断熱性能が落ちると冷暖房効率が悪化するほか、断熱材の全面交換が必要になれば、その分の補修費用もかさんでしまいます。
被害④:アライグマ回虫・マダニによる感染症リスク

前述の通り、アライグマは「アライグマ回虫」という寄生虫や、マダニ・ノミ、サルモネラ菌などの病原菌を保有していることがあります。屋根裏で異変に気づいても、自分で糞に触れたり不用意に近づいたりするのは絶対に避けてください。人だけでなく、放し飼いのペットにも感染リスクがある点も見逃せません。
アライグマを寄せ付けないための予防策
ここからは、住宅近辺や路上などでアライグマを見つけた場合に、「住宅に近づけないための対策」を具体的にご紹介致します。
予防策①:エサとなる生ゴミ・果実の撤去

住宅街に生息するアライグマは、人の生活圏にある食べ物を効率よく探し回っています。最も大切なのは、「この家には食料がある」とアライグマに学習させないことです。
・生ゴミの管理:屋外に出す場合は、鍵付き・蓋付きの頑丈な容器で保管する
・ペットフードの片付け:食べ終わったらすぐに回収し、屋外に放置しない
・庭の果実、野菜の管理:庭で出来た果実や家庭菜園は早めに収穫する
・水槽や池の管理:屋外に置かれた水槽は室内に移動させ、池には柵などを設ける
予防策②:忌避剤(きひざい)を活用する

ホームセンターやネット通販では、アライグマが嫌う臭いや刺激成分を配合した「害獣専用の忌避剤」が市販されています。侵入されやすい場所や庭の周囲に設置することで、寄せ付けにくい環境づくりが期待できます。
アライグマは嗅覚が鋭く、トウガラシ(カプサイシン)や木酢液(もくさくえき)、ミントなどのハーブ類のにおいを苦手とする傾向があります。こうした「嫌がるにおい」を戦略的に配置し、居心地の悪い環境を作ることがポイントです。
予防策③:金網による侵入経路の強固な封鎖

アライグマから住宅を守るうえで、もっとも効果的なのは物理的に「侵入経路を断つこと」です。アライグマは手先が非常に器用で、直径8cm程度のわずかな隙間があれば体をねじ込んで侵入してしまいます。特に狙われやすいのは、屋根の重なり部分、軒下、床下の換気口、換気扇やエアコン配管まわりのすき間です。

こうした箇所に穴やすき間を見つけた場合は、金網やパンチングメタルなどの丈夫な素材で確実に封鎖することが重要です。アライグマは器用な前足で軽度な補修を突破してしまうこともあるため、頑丈な施工が求められます。
アライグマの侵入経路の探し方や具体的な塞ぎ方については、以下の記事で詳しく解説しています。
アライグマ駆除を業者に頼んだ場合の費用相場

アライグマ駆除を専門業者に依頼する場合の費用は、被害の規模や住宅の状況によって変動しますが、全国的な相場はおおむね10万〜30万円程度とされています。侵入経路の封鎖や清掃・消毒まで含めると、被害が大きいほど費用も上がる傾向にあります。
アライグマ駆除の費用相場や具体的な作業内容については、以下の記事で詳しく解説しています。
また、当社「害獣駆除パートナー」が実際に手がけたアライグマの駆除事例も公開しています。どちらも深刻な事例ですが、どのような作業を行うのかぜひ参考にしてください。

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アライグマを見つけた場合のQ&A
Q.昼間にアライグマを見かけた場合も注意が必要ですか?
A.はい、注意が必要です。アライグマは基本的に夜行性のため、昼間に活動しているのは、エサ不足や子育て中などの理由で通常と異なる状態にある可能性があります。いつも以上に攻撃的になっていることも考えられるため、むやみに近づかないようにしましょう。アライグマが夜行性である理由は以下の記事で解説しています。
Q.アライグマを1匹見かけたら、他にも近くに潜んでいますか?
A.その可能性はあります。特に繁殖期や子育ての時期には親子で行動していることが多く、1匹を見かけた周辺に複数の個体が潜んでいるケースも珍しくありません。
Q.誤ってアライグマに触れてしまった、引っかかれてしまった場合はどうすればよいですか?
A.まずは石鹸と流水で患部をよく洗い流してください。引っかかれたり噛まれたりした場合は自己判断せず、必ず医療機関を受診しましょう。狂犬病など重篤な感染症のリスクもゼロではないため、早めの受診が安心です。
Q.アライグマは冬でも見かけることがありますか?
A.あります。アライグマは冬でも完全な冬眠はせず、暖かい日には活動することもあるため、1年を通して目撃される可能性があります。アライグマが冬眠しない理由については以下の記事で詳しく解説しています。
まとめ
庭先や住宅の近くでアライグマを見つけると驚いてしまいますが、まずは落ち着いて以下の3つのNG行動を避けることが大切です。
・素手で触らない・近付かない
・無許可で捕獲・攻撃しない
・エサを与えない
また、「結局どこに連絡すればいいのか」で迷ったときは、状況に応じて自治体・警察・専門業者を使い分けることが大切です。特にすでに屋根裏などへの侵入が疑われる場合、放置すればするほど糞尿被害やアライグマ回虫などの健康リスクが拡大していきます。
自治体の制度だけでは対応しきれない「侵入経路の封鎖」や「清掃・消毒」まで根本的に解決したい場合は、早めに害獣駆除の専門業者に相談することをおすすめします。










