アライグマが夜行性な理由|昼間の居場所や侵入被害、対策方法を解説

アライグマは「夜行性」の動物です。昼間に姿を見かける機会は少なく、住宅に侵入された場合にも足音や鳴き声は夜間から早朝にかけて聞こえるケースが大半です。

この記事では、アライグマが夜行性である理由や昼間の隠れ場所、住宅への侵入被害を防ぐ対策について詳しく解説します。

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目次

アライグマは「夜行性」の動物

アライグマは夜行性の動物です。人間が昼間に活動しているのに対し、彼らは夜間に活動するため、日常でその姿を目撃する機会はあまりありません。

以下の動画は、住宅の周辺を歩きまわるアライグマの映像です。下部右側の撮影時間を見ると1時45分であり、深夜に活動していることがよく分かります。

また、国の研究機関である「国立環境研究所」や、環境省の「アライグマ防除の手引き」においても、アライグマは「夜行性」であるという記述があります。

こうした映像や資料からも、アライグマが夜行性の動物であることが分かります。

参考:侵入生物データベース|国立環境研究所
参考:アライグマ防除の手引き|環境省

 

アライグマはなぜ夜行性なのか?

アライグマ

アライグマが夜行性である理由には、アライグマが持つ身体的な特徴などが関係しています。

理由①:暗闇でもよく見える「特別な目」があるから

アライグマの網膜の裏側には、「タペタム(輝板)」と呼ばれる反射層があります。夜間に暗がりで光を浴びると目が光るのはこのためです。

人間には見えない暗闇でも物体をはっきりと識別でき、暗闇での活動に適しています。これは猫なども同じ仕組みで、月明かりや街灯のわずかな光があれば、夜間でも昼間と同じように動き回ることができます。

 

理由②:優れた「触覚」と感度の高い「ヒゲ」

アライグマの脳を調べると、前足(手)からの触覚情報を処理する領域が異常なほど大きな割合を占めていると言われています。視覚に頼らずとも、暗闇や濁った水の中に手を入れて触るだけで物体を正確に把握できるといわれています。

また顔周りにあるヒゲも障害物などを避ける際に機能し、さらには聴覚や嗅覚により逃げる獲物の動きを正確に捉えることができます。

 

理由③:食料を見つけやすい時間帯だから

アライグマが好むカエルやザリガニ、ネズミや昆虫などは湿度が上がり天敵に見つかりにくくなる夜間に活発化します。

捕食者であるアライグマ側も、それに合わせて夜間活動する方が効率的に栄養を摂取できると考えられています。

 

理由④:天敵や人間を避けるため

アライグマは本来、非常に用心深く、危険を避けようとする性質を持っています。天敵をはじめさまざまな動物が動き回る昼間は身の危険にさらされやすいため、日中は安全な場所に潜んで気配を消しています。

人間が寝静まる夜間を選んで行動することで、遭遇のリスクそのものを減らしているとも考えられています。

 

アライグマは「昼間」はどこで何をしている?

アライグマは夜行性であることが分かりましたが、昼間はどのような場所で休んでいるのでしょうか?

アライグマが昼間に休んでいる場所は、生息している環境(野生環境か、住宅街か)によって大きく異なります。

 

野生での昼間の過ごし方:木の上や岩陰などで休んでいる

アライグマ

野生環境におけるアライグマは、木の上や岩陰、樹洞(木のうろ)のような外敵に見つかりづらい場所をねぐらとしています。

アライグマは木登りが得意なため、天敵の多い地上から離れた高い場所は、安心して眠れる場所です。

昼間はこうした安全な場所で休息し、周囲が暗くなって活動しやすくなる夜を待っています。

 

住宅街での昼間の過ごし方:天井裏や床下で休んでいる

都市部や住宅街では、本来のすみかである木の上や岩陰の代わりに、住宅の天井裏や床下、倉庫の隙間などがねぐらとして狙われやすくなります。

以下の写真は、私たち害獣駆除パートナーが調査に伺った際(昼間)に撮影された、屋根裏のアライグマの様子です。

屋根裏で休むアライグマ

また以下の動画はアライグマが住宅の天井裏に侵入した映像です。右下の撮影時間を確認すると、昼の13時であることが分かります。

こうした場所は雨風や寒さをしのげ、また外敵にも見つかりづらいため、アライグマにとっては安心して休息できる環境となります。

 

「ねぐらは1か所だけではない」ことに要注意!

アライグマは一つの場所をねぐらにするのではなく、複数の場所を「行ったり来たり」して生活しています。餌場への近さや、万が一の避難先として、あらかじめ複数の棲み処を確保しているためです。

昨日までは屋根裏で物音がしていたのに、今日はぱったり静かになった」というケースでも、安心はできません。単に別のねぐらへ一時的に移動しているだけで、しばらくすると同じ場所に戻ってくることが多いためです。アライグマには帰巣本能が備わっており、一度「安全で快適」と判断した場所は記憶され続けます。そのため、対策をせずに放置していると、同じ被害が繰り返し発生してしまいます。

 

冬場や子育て中などは、昼間でも活動する

アライグマは基本的に夜行性ですが、「絶対に昼間は動かない」というわけではありません。実は、昼間にアライグマが目撃されるケースも珍しくないのです。

以下の写真は、私たち害獣駆除パートナーが調査に伺った際に、たまたま外部でアライグマを発見した際の写真です。周りの明るさから、昼間であることが分かります。

住宅街のアライグマ

アライグマが昼間にもかかわらず姿を現すのは、「冬場でエサが十分に足りていないとき」や「子育て中で、いつも以上にたくさんのエサが必要なとき」といった場合が多いです。

アライグマ自身も必死な状態のため、もし人間とバッタリ遭遇してしまうと、激しく威嚇されたり、襲いかかってきたりする危険性があります。もし昼間に見かけても、決して刺激したり近づいたりしないよう注意してください。

 

アライグマが住宅に侵入した場合の被害

アライグマが住宅に侵入すると、どのような被害が起こるのでしょうか?代表的な被害には以下のようなものがあります。

 

被害①:屋根裏からの足音・鳴き声による騒音被害

天井裏に生息するアライグマの子ども

アライグマは夜行性であるため、人間が眠りにつく深夜になると屋根裏での動きが活発になります。

体重4~10kgと猫より大きく、走り回る音や物を引っかく音、鳴き声が天井を通して室内にはっきりと伝わってきます。前足を使って物を掴んだり運んだりする動作が多いため、単純な足音以上にガタガタとした重量感のある物音になりやすいのも特徴です。一度活動が始まると、毎晩同じ時間帯に繰り返されるケースが多く見られます。

実際に被害に遭われた方からは、「物音が気になって眠れず、精神的にも限界に近い」といった相談を数多くいただきます。深夜に繰り返される騒音は睡眠の質を下げるだけでなく、不眠や慢性的なストレスなど心身の不調につながることも少なくありません。

 

被害②:溜め糞(フン)による悪臭、天井板の腐食・損傷

次の画像は、屋根裏に蓄積されたアライグマの糞(フン)の重みで、天井板が今にも抜け落ちそうになっている様子です。

アライグマの糞尿で天井板が抜けそうな様子
アライグマのフンで天井が抜けそうな住宅

アライグマは同じ場所に繰り返し排泄する「溜め糞」という性質を持っており、住み着かれると短期間で糞尿が山のように蓄積していきます。強い臭いが立ち上るのはもちろん、染み出した水分が天井材に浸透し、シミとして表面化することも珍しくありません。

アライグマのフン清掃 施工前
屋根裏で発見されたアライグマのフン

このまま放置すると天井板自体が湿気を含んで脆くなり、糞の重量に耐えられず崩落する危険性も出てきます。結果として、駆除費用に加えて天井の張り替えやクロスの貼り直しなど、住宅の修繕費が別途かかってしまうケースも珍しくありません。

 

被害③:ダニ・ノミ・病原菌による深刻な健康被害

アライグマの体毛にはダニやノミが数多く付着しており、屋根裏に住み着くことでこれらの害虫が天井の隙間から室内へ侵入し、人やペットに直接的な被害を及ぼすおそれがあります。

さらに注意したいのが、アライグマ特有の寄生虫である「アライグマ回虫」です。糞に含まれる卵が乾燥・粉塵化して空気中に舞い、それを吸い込んでしまうことで人体にも感染するリスクがあるとされています。そのほかの病原菌やウイルスも糞尿中に潜んでいるため、高熱や下痢、嘔吐といった症状につながることもあります。

屋根裏の異変に気づいても、ご自身で不用意に近づいたり、糞に触れたりすることは絶対に避けてください。

 

被害④:生ゴミやペットフードなどへの食害

荒らされたゴミ置き場

アライグマは雑食性が強く、生ゴミや屋外に置かれたペットフードなど、手に入りやすい食べ物には何でも手を出します。手先が器用なため、蓋つきのゴミ箱でも簡単に開けてしまうことがあり、荒らされた形跡があれば要注意です。

こうした食害を一度でも経験すると、アライグマはその家を「簡単に餌が手に入る場所」として記憶してしまいます。餌場としての認識が定着すると、近くの屋根裏などへそのまま住み着くきっかけになることも少なくありません。

 

被害⑤:断熱材の損壊

屋根裏の断熱材は、アライグマにとって寝床にちょうどよい柔らかさと保温性を備えているため、住み着かれるとそのまま寝床として使われてしまいます。爪や歯で引きちぎって巣材にしたり、上に排泄を続けたりすることで、想定以上に広い範囲がダメージを受けることもあります。

断熱材が傷むと本来の保温・断熱効果が発揮できなくなり、冷暖房の効率が落ちたり、部屋によって温度差が出たりする原因になります。

被害が広範囲に及ぶと断熱材を全面的に張り替える必要が出てくるため、駆除費用に加えてまとまった補修コストが発生することも想定しておく必要があります。

断熱材の交換を含む駆除費用の相場などは以下の記事をご覧ください。

 

アライグマ被害を未然に防ぐための対策

こうしたアライグマ被害を防ぐためには、どのような対策を行うべきでしょうか?家庭ですぐに取り組める具体的なポイントを順に解説していきます。

 

対策①:侵入経路を徹底的に遮断する

アライグマの穴塞ぎ施工前

アライグマは、ねぐらにできそうな安全な隙間を常に探し回っています。そのため、家を守るうえで最も効果的な対策は、物理的に侵入口をなくすことです。

アライグマは非常に体が柔らかく、直径10cm程度(人間の握りこぶし大)のすき間さえあれば体をねじ込んで侵入してしまいます。特に狙われやすいのは次のような箇所です。ご自宅に当てはまる隙間や破損がないか、一度確認してみましょう。

害獣が侵入しやすい場所

  • 屋根の重なり
  • 軒下(のきした)
  • 床下換気口
  • 換気扇の換気口、エアコンの配管周り

こうした場所に隙間や穴が見つかった場合は、金網やパンチングメタルなどでしっかりと封鎖することが重要です。手先が器用で力も強いアライグマは、網目の粗いものや腐食した素材だと破って再侵入してしまうことがあるため、封鎖に使う素材の強度にも注意が必要です。

アライグマの侵入経路の探し方や具体的な塞ぎ方については、以下の記事で実際の画像付きで詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

 

対策②:生ゴミやペットフードを厳重に管理する

収納ボックス

都市や住宅街に住むアライグマは、人間の生活圏にある食べ物を狙っています。

大切なのは、「この家に来れば食べ物がある」とアライグマに覚えさせないことです。一度でも餌にありついてしまうと、その場所を餌場として認識し、周辺の屋根裏などに住み着く可能性が高くなります。

ご家庭でできる具体的な対策は次の通りです。

生ゴミの放置厳禁:庭先などに置く場合は、必ず鍵やロックがかかる蓋付きの頑丈なコンテナに保管しましょう。

ペットフードの回収:餌皿を屋外に置きっぱなしにせず、食べ終わったらすぐに片付けるか、保管場所を室内へ移動させましょう。

 

対策③:忌避剤(きひざい)を活用して寄り付かない環境を作る

ホームセンターやネット通販では、アライグマが嫌う天敵の臭いや刺激成分を含んだ害獣用の忌避剤が販売されています。こうした忌避剤を家の周囲や侵入されやすい場所に設置することで、アライグマを遠ざける効果が見込めます。

またアライグマは嗅覚が鋭いため、次のような強い臭いも苦手とする傾向があります。

刺激物:トウガラシ(カプサイシン)、タマネギ、木酢液(もくさくえき)
植物:ミントなどのハーブ類、ラベンダー

こうした苦手な臭いを配置し、アライグマにとって居心地の悪い環境を作ることが効果的です。

 

アライグマ被害に遭ってしまったら

すでにアライグマが住宅に侵入してしまっている場合には、アライグマ駆除を行う必要があります。基本的なアライグマ駆除は以下のような流れで行います。

手順① アライグマの「追い出し」(あるいは「捕獲」):アライグマが屋内に居ない状態を作る
手順② 侵入経路の穴塞ぎ(封鎖):アライグマが住宅に侵入した穴を特定し、塞ぐ
手順③ 糞尿の清掃:アライグマの残した糞(フン)と尿の清掃
手順④ 害虫駆除・殺菌消毒:ダニやノミなどの害虫駆除、ウイルスや病原菌の殺菌消毒を行う

これらの作業をすべてご自身で行うには、高所作業のリスクや感染症への対策など、多大な労力と危険が伴います。少しでも「自分では難しそうだ」と感じたら、被害が深刻化する前に害獣駆除の専門業者へ相談しましょう。

アライグマ駆除の費用は、被害状況や住宅の構造にもよりますが、おおよそ10万~30万円前後が相場と言われています。費用相場や信頼できる業者の選び方については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

 

アライグマの夜行性に関するQ&A

Q.アライグマは夜行性ですが、鳴き声が聞こえるのも夜だけですか?

A.夜に聞こえることが多いです。しかし記事内でも記載したように昼にも活動するケースがあるため、昼に屋根裏から動物の声が聞こえたからといってアライグマでは無いという思い込みは危険です。

 

Q.アライグマは冬眠しますか?

A.巣にこもりがちにはなりますが、完全に冬眠する訳ではありません。むしろ冬前には暖かい場所を探して住宅への侵入被害が多くなりますので注意が必要です。

 

Q.アライグマは何時ごろ活動が活発になりますか?

A.アライグマの活動は日没後から本格化し、明け方まで続くのが一般的です。日没から1時間ほど経つと餌を求めて動き出すことが多く、深夜の23時〜2時頃は一時的に休憩を取る個体もいます。

 

Q.屋根裏で足音がする場合、アライグマ以外の動物の可能性もありますか?

A.はい。よく間違えられるのがハクビシンやイタチなどです。ただしアライグマ以外の動物でも害がありますので、動物の気配を感じたら害獣駆除業者への相談をおすすめします。アライグマとハクビシンの違いについては以下の記事をご覧ください。

           

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執筆・監修者

執筆者 林 翔平

林 翔平

           

2012年株式会社セスコに入社し、これまで1,000件以上の害獣調査に従事。東京都ペストコントロール協会加盟。害獣駆除パートナーのコラム記事全ての執筆および監修を担当。

【保有資格】

・JPCA「ペストコントロール技術者1級」

・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」

・日本健康住宅協会「健康住宅アドバイザー」

創業39

安心の実績 51,207

※2026年3月末

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