ハクビシンの子ども(赤ちゃん)を見つけたら?NG行動と正しい対処法を解説

住宅の屋根裏から「ピィピィ」という高い鳴き声が聞こえる場合、ハクビシンの子どもや赤ちゃんが棲みついている可能性があります。

ハクビシンの子どもの様子は、次の動画で確認できます。住宅の屋根裏で生まれた、生後4~5カ月前後と推測される個体です。

続いての動画は同じ場所で撮影された映像ですが、親と思われるハクビシンも映っています。子どもと大人では、体の大きさが明らかに違うことが分かります。

ハクビシンは非常に繁殖能力が高いため、「まだ子どもだから実害はないだろう」と楽観視するのは危険です。放置すればあっという間に数が増え、建物や人体に大きな被害を及ぼしかねません。

この記事では、ハクビシンの子ども(赤ちゃん)の特徴や見分け方から、発見時のNG行動と正しい対処法まで詳しく解説します。

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目次

ハクビシンの子ども(赤ちゃん)の生態とは?繁殖や成長のプロセス

まずは、ハクビシンの子どもや繁殖に関する基本的な生態から解説します。

 

ハクビシンの子どもの特徴

ハクビシンを漢字で「白鼻芯」と表記するように、鼻先から額にかけて一本の白い筋(線)が通っているのがハクビシンの大きな特徴です。

この白線は、生まれて間もない赤ちゃん(幼獣)の時期からはっきりと現れます。そのため、他の動物の子どもとハクビシンの子どもを判別するのは、それほど難しくありません。

ハクビシンの子ども

ハクビシンと姿形が似ているアライグマの子どもと比較しても、顔立ちや尻尾の模様、鳴き声などで明確に区別できます。見分けるポイントを整理すると、以下の通りです。

比較項目 ハクビシンの子ども アライグマの子ども
鼻筋に白い線がある 目元に黒いマスク模様がある
尻尾 非常に長く(体と同じくらい)、細い 縞模様がある。太くフサフサしている
鳴き声 「ピィピィ」「チィチィ」という高い音 「クルルル」という震える声

 

ハクビシンの子どもの成長スピード

ハクビシンの赤ちゃんは、生後10日前後までは目が開いておらず、ほとんど動くこともありません。

しかし、その後の成長スピードは非常に速く、間もなく自力で歩き始め、生後2カ月前後には木登りもこなせるようになると言われています。

この時期(生後2カ月頃)には離乳し、大人(成獣)と変わらない食生活になります。ハクビシンは雑食性ですが、特に甘い果物を好むため、糞には果物の種が混ざるようになります。

ハクビシンの好物や糞の特徴については以下の記事で詳しく解説しています。

 

体長は、誕生直後は30cm前後ですが、生後3カ月頃には約70cmにまで急成長します。大人のハクビシンは体と尻尾を合わせると1m前後になりますが、この大きさに成長するまでそれほど時間はかかりません。

また、成獣の足跡は全長4cm〜5cmほどですが、子どもの足跡はそれよりも一回り小さくなります。

ハクビシンの足跡の特徴や、他の動物との見分け方については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

ハクビシンの驚異的な繁殖能力

ハクビシンは極めて高い繁殖能力を持っており、放置すると被害が指数関数的に拡大します。

まず、ハクビシンは1回の出産で1〜5匹(平均2〜3匹)の子を産みます。妊娠期間は約2カ月と短く、環境によっては1年に2回出産することもあります。

さらに、生まれた子どもは生後わずか10カ月〜1年ほどで自らも繁殖可能な大人になります。このサイクルが繰り返されることで、あっという間に家一軒がハクビシンの巣窟となってしまうのです。

  • 生後10日前後:目が開きはじめる
  • 生後1カ月前後:自力で排泄ができるようになる
  • 生後2カ月前後:離乳し、木登りなどができるようになる
  • 生後10カ月前後:妊娠・出産が可能になる

 

なぜ住宅の屋根裏が狙われるのか?

ハクビシンは外敵から身を守り、安全に子育てができる環境を常に探しています。断熱材があり温かく、アライグマや猛禽類(トビなど)といった天敵に襲われる心配のない住宅の屋根裏は、ハクビシンにとって絶好の繁殖場所です。

わずかな隙間や穴さえあれば容易に侵入し、一度住み着いてしまうと、そこで世代交代を繰り返しながら被害を深刻化させていきます。

ハクビシンが屋根裏を狙う理由については、次の記事でさらに詳しく解説しています。

 

ハクビシンの子どもがいる場合の兆候(サイン)

ハクビシンが屋根裏に侵入すると、その鳴き声や足音によって被害に気付く方が大勢いらっしゃいます。

さらに、屋根裏にハクビシンの子どもがいる(繁殖している)場合は、大人の鳴き声や足音に加えて、以下のような特有の兆候(サイン)が現れるようになります。

 

兆候①:鳥の雛のような甲高い鳴き声がする

大人のハクビシンは通常、「キィーキィー」「シャーシャー」といった威嚇するような鳴き声を発します。

しかし、それらとは別に「ピィピィ」「チィチィ」という鳥の雛(ひな)のような甲高い鳴き声が屋根裏から聞こえる場合は、ハクビシンの子ども(赤ちゃん)が産まれている可能性が高いです。

 

兆候②:昼間でも鳴き声や足音がする

ハクビシンは夜行性の動物であるため、本来であれば鳴き声や足音は夜間に聞こえるのが基本です。

しかし、子育て中の親ハクビシンは、子どものエサを確保するために昼間でも活発に活動することが多いです。そのため、屋根裏から昼夜を問わず鳴き声や足音が聞こえる場合は、子どもが産まれている可能性を疑わなければなりません。

 

以上のような兆候がある場合は、ハクビシンが繁殖している可能性が高いため、早急な対策が必要となります。

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ハクビシンが自宅で繁殖したときに生じる被害

もし自宅の屋根裏などでハクビシンが繁殖し、子どもが生まれてしまった場合、どのような被害が発生するのでしょうか。代表的な3つの被害について順に解説します。

 

被害①:屋根裏からの足音・鳴き声による騒音被害

ハクビシンは夜行性の動物であり、人間が寝静まる深夜に活動を開始するため、夜間に激しい騒音が発生するケースが多々あります。以下の動画は、夜間の屋根裏の様子を捉えた実際の映像です。

ただし、先述の通り屋根裏にハクビシンの子どもがいると、親がエサを求めて昼間でも動き回るようになります。その結果、昼夜を問わずバタバタという足音や甲高い鳴き声が響き渡ることになります。

実際に被害に遭われた方からは、「騒音が気になって精神的に追い込まれている」といった深刻なご相談を数多くいただきます。

こうした騒音被害は、睡眠の質を著しく低下させて不眠症を引き起こすだけでなく、慢性的なストレスや神経症へ繋がり、心身の健康を害する大きな要因となります。

 

被害②:溜め糞による悪臭、天井板の腐食・損傷

ハクビシンの子どもは、生後1ヶ月前後から自力で排泄を行うようになります。ハクビシンには、特定の場所に集中して排泄を行う溜め糞(ためふん)という習性があり、屋根裏に住み着かれると、同じ場所に大量の糞尿が積み重なっていきます。当然ながら、大人のハクビシン単体よりも、繁殖して頭数が増えた方が糞尿のが溜まるスピードは早くなります。

ハクビシンの糞尿は強烈な悪臭を放つだけでなく、その水分が天井板まで染み込んで「天井染み」を引き起こします。

最悪の場合、糞尿の水分やアンモニア成分によって天井板が腐食し、強度が著しく低下してしまいます。その結果、糞尿やハクビシン自身の重みに耐えきれなくなり、天井が突然抜け落ちてしまうケースもあります。

ハクビシンのフンで天井が抜けそうな住宅
抜けそうになっている天井板

こうなると、ハクビシンの駆除費用だけでなく、天井板の張り替えや壁紙(クロス)の交換、消毒作業など、高額な住宅リフォーム費用が発生してしまいます。

 

被害③:ダニ・ノミ・病原菌による深刻な健康被害

ハクビシンの体にはダニやノミが寄生していることが多く、生まれたばかりの子どもであっても例外ではありません。ハクビシンが屋根裏に住み着くと、これらの寄生虫が天井の隙間などから室内に侵入し、人間やペットに被害をもたらす恐れが生じます。

また、放置された糞尿には多数の病原菌やウイルスが潜んでいます。乾燥したフンが粉々になって微細な粉塵(ふんじん)と化し、それを人間が吸い込んでしまうと、高熱や激しい下痢、嘔吐といった深刻な感染症を引き起こす危険性があります。

屋根裏でハクビシンの数が増えるほど、このような健康被害のリスクが高まります。

 

被害④:断熱材の損壊による住宅の断熱性能低下

ハクビシンに荒らされた断熱材

ハクビシンは、屋根裏に敷き詰められている断熱材を格好の寝床や繁殖場所に選びます。ハクビシンの親子に一度巣を作られる(営巣)と、断熱材をボロボロに引きちぎって身を隠すスペースを作られたり、その上で繰り返し排泄をされたりと、広範囲にわたって荒らされる被害が発生します。

断熱材が損壊すると、外気の影響を受けやすくなり、冬場に暖房の効きが悪くなったり、特定の部屋だけが冷え込んだりするなど、住宅の断熱・保温性能が著しく低下してしまいます

さらに、荒らされた断熱材は再利用できないため交換が必要となります。新しい断熱材の購入費用や、屋根裏への設置工事費用といった経済的負担も発生してしまいます。

 

被害⑤:庭の果樹や生ゴミ、ペットフードへの被害

荒らされたゴミ置き場

ハクビシンは好むエサの範囲が非常に広い「雑食性」の動物です。そのため、庭に実った果樹はもちろん、集積所に並ぶ生ゴミ、屋外に放置されたペットフードなど、身の回りにあるあらゆるものが格好のエサになってしまいます。

特に天井裏に子どもがいる(繁殖している)場合は、家族全員分の大量のエサが必要となります。そのため、一度でも「ここにエサがある」と学習した場所には執拗に現れるようになり、被害が深刻化することがあります。

ハクビシンの危険性やその他の被害などについては以下の記事で詳しく解説しています。

 

ハクビシンの子どもを見つけた場合のNG行動

ハクビシンの子どもが居ることがわかっても、焦って取ってはいけないNG行動があります。代表例は次の通りです。

 

NG行動①:ハクビシンを触る・捕まえる

ハクビシンは、子どもであってもウイルスや病原菌を持っている可能性があります。万が一噛まれたりすると感染してしまう可能性もあるため、触ることは厳禁です。

また、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」によって守られているため、たとえ子どもであっても許可なく捕まえると1年以下の懲役または100万円の罰金が科される可能性があります。そのため、ハクビシンの子どもを見つけても、無闇に捕まえることは避けてください。

ハクビシンの捕獲について詳しくは以下の記事も参考にして下さい。

 

NG行動②:燻煙材を使用する

ハクビシン駆除では通常、燻煙材などを使用して住宅からの追い出し作業を行います。しかし、子どもがいる状態で燻煙材を使用するのはNGです。

子どもがいる状態で燻煙材を使用すると、親だけが逃げてしまい子どもが取り残されてしまう恐れがあります。親が子どもを守ろうと、住宅の壁の隙間などに子どもを隠してから逃げてしまう可能性もあります。

子どもだけが住宅内に取り残されるとやがて餓死してしまい、大量の害虫が発生したり、悪臭などの2次被害が発生したりします。また、壁の中に子どもを隠されると、取り出すために住宅の壁の一部を壊すなどの大掛かりな工事が必要になるケースもあります。

ハクビシンの子どもがいる場合には、燻煙材などでの追い出し作業は行わないように気を付けましょう。

 

ハクビシンの子どもを見つけた場合の対処法

それでは、もしハクビシンの子どもを見つけたら、どのように対処すれば良いのでしょうか。具体的な手順を順に解説します。

 

対処法①:自治体に相談する

自宅の屋根裏などにハクビシンの子どもがいるかもしれないと思ったら、まずはお住まいの自治体(市区町村役場)に相談しましょう。多くの自治体が、ハクビシン捕獲用の罠(わな)の貸し出しや、捕獲した個体の回収などを無償で支援しています。

相談する際は「ハクビシンの子どもがいる可能性がある」と伝え、どのような支援を受けられるか確認してください。

なお、ハクビシンの子どもは捕獲支援の対象外となるケースや、そもそも自治体に支援制度自体がない場合もあります。その際は、次の対処法を検討しましょう。

 

対処法②:害獣駆除業者に依頼する

自治体の支援を受けられない場合や、すでに糞尿(ふんにょう)被害などが起きており、駆除から今後の予防まで一括で行いたい場合は、ハクビシンに対応している害獣駆除業者に相談しましょう。

専門の害獣駆除業者であれば、子どもがいる状態での駆除にも慣れているため、スムーズに作業を進めてくれます。さらに、糞尿の清掃や消毒、侵入経路の封鎖といった、二次被害や再発の防止まで徹底して任せられるのが大きなメリットです。

ハクビシン駆除の費用相場については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

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ハクビシンの子どもに関するQ&A

Q.道端で見つけたハクビシンの子どもを保護することも違法になりますか?

A.厳密には違法となる可能性が高いです。道端でハクビシンを見つけた場合も、お住いの自治体に連絡をするようにしましょう。

 

Q.ハクビシンの子どもをペットとして飼うことはできますか?

A.できません。ハクビシンは鳥獣保護管理法で守られており、個人のペットとしての飼育・保持は認められていません。万が一、勝手に連れ帰って飼育した場合は法律違反となります。弱っている個体を見つけた場合も、手を出さずに自治体へ連絡してください。

 

Q.ハクビシンの子どもだけが屋根裏に侵入することはありますか?

A.ほとんどありません。仮にハクビシンの子どもだけが屋根裏にいても、たまたま親がエサなどを求めて外に出ている可能性が高いです。

 

Q.自治体ではハクビシン駆除の補助金などもありますか?

A.ごく一部の地域ではハクビシン駆除で発生した費用の一部を負担してもらえる可能性があります。ハクビシン駆除に関する補助金や、確定申告の雑損控除で費用負担を軽くする方法などについては以下の記事で詳しく解説しています。

 

           

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執筆・監修者

執筆者 林 翔平

林 翔平

           

2012年株式会社セスコに入社し、これまで1,000件以上の害獣調査に従事。東京都ペストコントロール協会加盟。害獣駆除パートナーのコラム記事全ての執筆および監修を担当。

【保有資格】

・JPCA「ペストコントロール技術者1級」

・日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」

・日本健康住宅協会「健康住宅アドバイザー」

創業39

安心の実績 51,207

※2026年3月末

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