住宅の屋根裏や床下から「キューキュー」「クルルル」という震えるような鳴き声が聞こえる場合、アライグマの子どもや赤ちゃんが棲みついている可能性があります。
以下の写真は、私たち害獣駆除パートナーが調査に伺った際に屋根裏で発見したアライグマの子ども(3匹)です。目も開き自分でも歩けることから、生後2~3カ月前後と思われます。

また以下の写真は生後5日~10日前後の生まれたばかりのアライグマの赤ちゃんの写真です。まだ毛も生えそろっておらず、一見するとアライグマとは思えない見た目をしています。

さらに以下の動画では、壁の中からアライグマの赤ちゃんの鳴き声が聞こえる様子を捉えています。
アライグマは繁殖能力が非常に高いうえ、日本では在来の天敵がほとんど存在しないため、「まだ子どもだから実害はないだろう」と楽観視するのは危険です。放置すればあっという間に頭数が増え、建物や人体、そして周辺の生態系にまで大きな被害を及ぼしかねません。
この記事では、アライグマの子ども(赤ちゃん)の特徴や見分け方から、発見時のNG行動と正しい対処法まで詳しく解説します。

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目次
アライグマの子ども(赤ちゃん)の生態とは?繁殖や成長のプロセス
まずは、アライグマの子どもや繁殖に関する基本的な生態から解説します。
アライグマの子どもの特徴
アライグマは英語で「raccoon」、和名は「洗熊」と表記されるように、前足が非常に器用で、水辺で物を洗うようなしぐさをすることで知られています。見た目の最大の特徴は、目の周りを縁取る黒いマスク模様と、しっぽに入った太いリング状の縞模様です。

このマスク模様と尻尾の縞模様は、子どもの状態でも現れているため、他の動物の子どもと見分けることはそれほど難しくはありません。しかし冒頭でも紹介した「生まれたばかり」の状態では、こうした特徴も分かりづらく、一目でアライグマと断定するのは難しいかもしれません。

アライグマと姿形が混同されやすい「ハクビシンの子ども」と比較すると、顔立ちや尻尾の模様、鳴き声などで明確に区別できます。見分けるポイントを整理すると、以下の通りです。
| 比較項目 | アライグマの子ども | ハクビシンの子ども |
|---|---|---|
| 顔 | 目元に黒いマスク模様がある | 鼻筋に白い線がある |
| 尻尾 | 縞模様がある。太くフサフサしている | 非常に長く(体と同じくらい)、細い |
| 鳴き声 | 「キューキュー」「クルルル」という震える声 | 「ピィピィ」「チィチィ」という高い音 |
※ここまでの特徴を踏まえ、もしかしたら「ハクビシンの子ども」かもしれないと感じた方は、以下の記事でハクビシンの子どもについて詳しく解説しています。
アライグマの子どもの成長スピード
アライグマの赤ちゃんは、生まれた直後は目も耳も閉じており、体重はわずか60〜75g程度、体長は10cm前後しかありません。
耳が開くのは生後3週間前後、目が開くのはそれよりもやや遅く生後3〜4週間ほどが目安です。この時期まではほとんど自力で動くことができず、母グマに寄り添って過ごします。
その後の成長スピードは非常に速く、生後2カ月頃には巣穴の外を探索し始め、生後3カ月前後には母グマと一緒に木登りや採餌行動をこなせるようになると言われています。
離乳の時期も同じく生後2〜3カ月頃で、これ以降は大人(成獣)とほぼ同じ食生活に移行します。アライグマは非常に食性の幅が広い雑食性で、果実や農作物、昆虫、生ゴミなど手に入るものは何でも口にするため、被害の範囲が広がりやすいのが特徴です。
アライグマの好物については以下の記事で詳しく解説しています。
体長は、誕生直後は10cm前後ですが、生後3カ月頃には30cmを超えるまで急成長します。大人のアライグマは体長40〜60cm、尻尾を含めると70〜100cm前後、体重は4〜10kgに達することもあり、ハクビシンよりもひと回り大きく育ちます。
また、成獣の足跡は人の手のような形をした5本指が特徴で、前足だけで5〜8cmほどありますが、子どもの足跡はそれよりも一回り小さくなります。
アライグマの足跡については以下の記事で詳しく解説しています。
アライグマの驚異的な繁殖能力

アライグマは極めて高い繁殖能力を持っており、放置すると被害が指数関数的に拡大します。
まず、アライグマは1回の出産で1〜7匹(平均3〜4匹)の子を産みます。妊娠期間は約63〜65日で、繁殖期は例年1月〜3月頃に集中し、出産のピークは4月〜5月頃です。
さらに、生まれた子どものうちメスは生後10カ月〜1年ほどで自らも繁殖可能な大人になります(オスはこれよりやや遅く、性成熟までに1〜2年ほどかかることもあります)。このサイクルが繰り返されることで、あっという間に家一軒がアライグマの巣窟となってしまうのです。
・生後3週間前後:耳が開きはじめる
・生後3〜4週間前後:目が開きはじめる
・生後2カ月前後:離乳し、巣穴の外を探索できるようになる
・生後10カ月〜1年前後:(メスは)妊娠・出産が可能になる
なぜ住宅の屋根裏や床下が狙われるのか?
アライグマは外敵から身を守り、安全に子育てができる環境を常に探しています。もともと北米原産で、木のうろや地面の穴を巣として利用する習性があるため、断熱材があって温かく、天敵にも襲われる心配のない住宅の屋根裏や床下は、アライグマにとって絶好の繁殖場所です。
以下の動画では、アライグマが住宅の天井裏に侵入する様子が捉えられています。
わずかな隙間や、通気口・戸袋のすきまさえあれば器用な前足を使って容易に侵入し、一度住み着いてしまうと、そこで世代交代を繰り返しながら被害を深刻化させていきます。
アライグマの巣について詳しくは以下の記事をご覧ください。
アライグマの子どもがいる場合の兆候(サイン)

アライグマが屋根裏や床下に侵入すると、その鳴き声や足音によって被害に気付く方が大勢いらっしゃいます。
さらに、屋根裏にアライグマの子どもがいる(繁殖している)場合は、大人の鳴き声や足音に加えて、以下のような特有の兆候(サイン)が現れるようになります。
兆候①:震えるような甲高い鳴き声がする
大人のアライグマは通常、威嚇時に「シャーッ」「グルルル」といった鳴き声を発します。
しかし、それらとは別に「キューキュー」「クルルル」という震えるような、鳥のさえずりにも似た鳴き声が屋根裏から聞こえる場合は、アライグマの子ども(赤ちゃん)が産まれている可能性が高いです。
実際のアライグマの赤ちゃんの鳴き声は、以下の動画で確認できます。
兆候②:昼間でも物音や気配がする
アライグマは基本的に夜行性の動物であるため、本来であれば物音は夜間に聞こえるのが基本です。
しかし、子育て中の母グマは、子どものエサを確保するために昼間でも活発に活動することが多いです。そのため、屋根裏や床下から昼夜を問わずガサガサという物音や鳴き声が聞こえる場合は、子どもが産まれている可能性を疑わなければなりません。
以上のような兆候がある場合は、アライグマが繁殖している可能性が高いため、早急な対策が必要となります。

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アライグマが自宅で繁殖したときに生じる被害
もし自宅の屋根裏や床下などでアライグマが繁殖し、子どもが生まれてしまった場合、どのような被害が発生するのでしょうか。代表的な被害について順に解説します。
被害①:屋根裏や床下からの物音・鳴き声による騒音被害
アライグマは夜行性の動物であり、人間が寝静まる深夜に活動を開始するため、夜間に激しい騒音が発生するケースが多々あります。以下の動画は、アライグマが住宅の屋根裏に侵入した様子を捉えた映像です。
ただし、先述の通り屋根裏にアライグマの子どもがいると、母グマがエサを求めて昼間でも動き回るようになります。その結果、昼夜を問わずドタバタという足音や震えるような鳴き声が響き渡ることになります。
実際に被害に遭われた方からは、「騒音が気になって精神的に追い込まれている」といった深刻なご相談を数多くいただきます。
こうした騒音被害は、睡眠の質を著しく低下させて不眠症を引き起こすだけでなく、慢性的なストレスや神経症へ繋がり、心身の健康を害する大きな要因となります。
被害②:溜め糞による悪臭、天井板の腐食・損傷

アライグマの子どもは、生後2カ月前後から自力で排泄を行うようになります。アライグマにも、決まった場所に集中して排泄を行う溜め糞(ためふん)の習性があり、屋根裏や床下に住み着かれると、同じ場所に大量の糞尿が積み重なっていきます。当然ながら、成獣単体よりも、繁殖して頭数が増えた方が糞尿が溜まるスピードは早くなります。
アライグマの糞尿は強烈な悪臭を放つだけでなく、その水分が天井板まで染み込んで「天井染み」を引き起こします。
最悪の場合、糞尿の水分やアンモニア成分によって天井板が腐食し、強度が著しく低下してしまいます。その結果、糞尿やアライグマ自身の重み(成獣で4〜10kgと比較的重い)に耐えきれなくなり、天井が突然抜け落ちてしまうケースもあります。
こうなると、アライグマの駆除費用だけでなく、天井板の張り替えや壁紙(クロス)の交換、消毒作業など、高額な住宅リフォーム費用が発生してしまいます。
被害③:アライグマ回虫(バイリサスカリス)など病原体による深刻な健康被害

アライグマの糞には、「アライグマ回虫」と呼ばれる寄生虫の卵が含まれていることがあり、これはハクビシンにはない、アライグマ特有の重大なリスクです。乾燥した糞が砕けて粉塵となり、これを人間が誤って吸い込んだり口に入れたりすると、重篤な神経症状を引き起こす人獣共通感染症につながる恐れがあります。
また、体にはダニやノミが寄生していることも多く、生まれたばかりの子どもであっても例外ではありません。アライグマが屋根裏に住み着くと、これらの寄生虫が天井の隙間などから室内に侵入し、人間やペットに被害をもたらす恐れが生じます。
屋根裏でアライグマの数が増えるほど、このような健康被害のリスクが高まります。
被害④:断熱材の損壊による住宅の断熱性能低下

アライグマは、屋根裏に敷き詰められている断熱材を格好の寝床や繁殖場所に選びます。母子に一度巣を作られる(営巣)と、断熱材をボロボロに引きちぎって身を隠すスペースを作られたり、その上で繰り返し排泄をされたりと、広範囲にわたって荒らされる被害が発生します。
断熱材が損壊すると、外気の影響を受けやすくなり、冬場に暖房の効きが悪くなったり、特定の部屋だけが冷え込んだりするなど、住宅の断熱・保温性能が著しく低下してしまいます。
さらに、荒らされた断熱材は再利用できないため交換が必要となります。新しい断熱材の購入費用や、屋根裏への設置工事費用といった経済的負担も発生してしまいます。
被害⑤:庭の農作物や生ゴミ、池の魚への被害

アライグマは非常に食性の幅が広い「雑食性」の動物です。そのため、庭に実った果樹や家庭菜園の農作物はもちろん、集積所に並ぶ生ゴミ、屋外の池や水槽で飼育されている観賞魚など、身の回りにあるあらゆるものが格好のエサになってしまいます。
器用な前足でゴミ袋を開けたり、容器のふたを外したりすることもできるため、被害を受けやすい点にも注意が必要です。
特に屋根裏や床下に子どもがいる(繁殖している)場合は、家族全員分の大量のエサが必要となります。そのため、一度でも「ここにエサがある」と学習した場所には執拗に現れるようになり、被害が深刻化することがあります。
アライグマの危険性やその他の被害については以下の記事で詳しく解説しています。
アライグマの子どもを見つけた場合のNG行動
アライグマの子どもが居ることがわかっても、焦って取ってはいけないNG行動があります。代表例は次の通りです。
NG行動①:アライグマを触る・捕まえる

アライグマは、子どもであってもアライグマ回虫をはじめとしたウイルスや病原菌を持っている可能性があります。万が一噛まれたりすると感染してしまう可能性もあるため、触ることは厳禁です。
また、アライグマは「外来生物法」により「特定外来生物」に指定されており、無許可での飼育・保管・運搬・譲渡が禁止されています。さらに「鳥獣保護管理法」の対象でもあるため、たとえ子どもであっても許可なく自分で捕獲することは原則として認められていません。無許可での捕獲・飼育が発覚した場合、法律に基づき罰則が科される可能性があるため、アライグマの子どもを見つけても、無闇に捕まえることは避けてください。
なお、ハクビシンとは異なり、多くの自治体がアライグマを「防除実施計画」に基づく駆除対象として積極的に位置づけているため、自治体への相談・届け出を通じた対応がスムーズに進みやすいという側面もあります。
アライグマの捕獲については以下の記事も参考にして下さい。
NG行動②:燻煙材を使用する

アライグマ駆除では通常、燻煙材などを使用して住宅からの追い出し作業を行うことがあります。しかし、子どもがいる状態で燻煙材を使用するのはNGです。
子どもがいる状態で燻煙材を使用すると、母グマだけが逃げてしまい子どもが取り残されてしまう恐れがあります。母グマが子どもを守ろうと、住宅の壁の隙間などに子どもを隠してから逃げてしまう可能性もあります。
子どもだけが住宅内に取り残されるとやがて餓死してしまい、大量の害虫が発生したり、悪臭などの2次被害が発生したりします。また、壁の中に子どもを隠されると、取り出すために住宅の壁の一部を壊すなどの大掛かりな工事が必要になるケースもあります。
アライグマの子どもがいる場合には、燻煙材などでの追い出し作業は行わないように気を付けましょう。
アライグマの子どもを見つけた場合の対処法
それでは、もしアライグマの子どもを見つけたら、どのように対処すれば良いのでしょうか。具体的な手順を順に解説します。
対処法①:自治体に相談する

自宅の屋根裏や床下などにアライグマの子どもがいるかもしれないと思ったら、まずはお住まいの自治体(市区町村役場)に相談しましょう。アライグマは特定外来生物であるため、多くの自治体が「アライグマ防除実施計画」に基づき、捕獲用の罠(わな)の貸し出しや、捕獲した個体の回収などを支援しています。
相談する際は「アライグマの子どもがいる可能性がある」と伝え、どのような支援を受けられるか確認してください。
なお、自治体によって支援内容や対象範囲は異なり、子どもについては対象外となるケースや、そもそも支援制度自体がない場合もあります。その際は、次の対処法を検討しましょう。
対処法②:害獣駆除業者に依頼する

自治体の支援を受けられない場合や、すでに糞尿被害などが起きており、駆除から今後の予防まで一括で行いたい場合は、アライグマに対応している害獣駆除業者に相談しましょう。
専門の害獣駆除業者であれば、子どもがいる状態での駆除にも慣れているため、スムーズに作業を進めてくれます。さらに、糞尿の清掃や消毒、侵入経路の封鎖といった、二次被害や再発の防止まで徹底して任せられるのが大きなメリットです。
アライグマ駆除の費用相場については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

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アライグマの子どもに関するQ&A
Q. 道端で見つけたアライグマの子どもを保護することも違法になりますか?
A. 厳密には違法となる可能性が高いです。アライグマは特定外来生物に指定されているため、個人が無許可で保護・飼育することは認められていません。道端でアライグマを見つけた場合も、お住いの自治体に連絡をするようにしましょう。
Q. アライグマの子どもをペットとして飼うことはできますか?
A. できません。アライグマは外来生物法によって「特定外来生物」に指定されており、個人のペットとしての飼育・保管は原則として禁止されています。万が一、勝手に連れ帰って飼育した場合は法律違反となります。弱っている個体を見つけた場合も、手を出さずに自治体へ連絡してください。
Q. アライグマの子どもだけが屋根裏に侵入することはありますか?
A. ほとんどありません。仮にアライグマの子どもだけが屋根裏にいても、たまたま母グマがエサなどを求めて外に出ている可能性が高いです。
Q. 自治体ではアライグマ駆除の補助金などもありますか?
A. アライグマは特定外来生物であることから、ハクビシンなどの在来種と比べて自治体の防除・補助制度が手厚い地域もあります。お住まいの自治体の環境課・農林課などに確認してみることをおすすめします。







