アライグマ被害に見舞われたら、「駆除にかかる費用を少しでも軽くしたい」と考えるのは当然のことです。
結論からお伝えすると、アライグマは法律上の「特定外来生物」に指定されているため、ハクビシンなどの在来種とは異なり、外来生物法等にもとづいて自治体が主体的に捕獲や対策を行っているケースが多く見られます。
自治体によっては、住宅に棲み付いたアライグマの「捕獲・回収」の作業を無料(または行政による対応)で実施しているところも存在します。
しかし、その一方で、捕獲した後の糞尿の清掃・消毒や、再び侵入されないための穴塞ぎ(封鎖工事)など、「専門の害獣駆除業者が行う本格的な修繕作業費用」に対して補助金を出している自治体はごく一部に限られます。
この記事では、自治体による補助金や捕獲支援制度の現状に加え、税金の負担を軽減できる「雑損控除」や火災保険の活用法まで、様々な制度を活用してアライグマ駆除の総費用を抑える方法について解説します。

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- 5年保証と毎年の定期点検
- ネズミ、ハクビシン、コウモリ、アライグマ、イタチ、その他害獣に対応
目次
国・都道府県によるアライグマ駆除の「補助金」制度

まず、国や都道府県レベルによる支援体制について整理します。
一般住宅のアライグマ被害に対して、国や都道府県が直接的に補助金を支給する制度は、基本的に設けられていません。
一方でアライグマによる農作物への被害額は全国で年間4億円を超える規模にまで拡大しており、環境省が定める基本方針に基づき、各都道府県が「アライグマ防除実施計画」を策定し防除に取り組んでいます。
たとえば熊本県では、市町村がアライグマの捕獲事業を行う際の体制整備費用を県が補助する制度を設けているほか、都道府県が「市町村や地域の捕獲活動そのもの」を後押しする形の支援が広く行われています。
また、農家の方向けには、都道府県が鳥獣被害対策として電気柵などの資材購入費に補助金を出しているケースがあります(例:東京都ではネットと電線を組み合わせた複合柵の資材費などを補助)。この種の農業用支援はアライグマ被害にも適用されることが多いため、農業を営まれている方はお住まいの都道府県や自治体の窓口に確認してみる価値があります。
市区町村によるアライグマ駆除の「補助金」制度

一般住宅におけるアライグマ被害に対して、一部の市区町村では「害獣駆除業者に支払った費用の一部」を現金で補助する制度を設けています。
参考までに、2026年現在、アライグマ駆除に関して補助金を行っている自治体の例としては、次のようなものが挙げられます。
補助金の事例①:東京都足立区
東京都足立区は「屋内侵入口閉塞工事費用助成金」を実施しており、アライグマ駆除で重要な「侵入経路の閉塞(穴塞ぎ)」にかかる費用を対象として補助金を支給しています。
補助額は最大10万円です。例を挙げると、アライグマ駆除の総額が30万円で、そのうち10万円が「閉塞(穴塞ぎ)」の費用だったとすると、10万円の支給を受けることで実質的な負担は20万円となります。
補助金の対象となるのは、足立区のアライグマ捕獲支援事業を利用し、屋内侵入口が確認された方のみです。(ご自身で作業した場合は対象外となるほか、施工業者が日本ペストコントロール協会に加盟している必要があります)
補助金の事例②:埼玉県熊谷市
埼玉県熊谷市は、「熊谷市アライグマ・ハクビシン防除補助金」という制度を設けています。アライグマ(およびハクビシン)の駆除に掛かった費用の2分の1(上限5万円)が補助金として支払われます。
金額の制約はあるものの、ご自身で害獣駆除業者を手配した場合でも利用できるため、非常に活用しやすい制度です。
ただし、「日本ペストコントロール協会に加盟する害獣駆除業者」だけが対象となる点や、「領収証の写し」「作業前後の写真」の提出が必要な点に注意が必要です。
参考:アライグマ・ハクビシン防除補助金のご案内|埼玉県熊谷市
補助金の事例③:兵庫県神戸市
神戸市は、アライグマまたはハクビシンによる被害を受けた「歴史的価値のある建築物」を対象に、被害対策費用の補助を行っています。
対象となるのは、築おおむね50年以上の建築物、かやぶき屋根の建築物、文化財または神戸歴史遺産に位置づけられた建築物です。補助対象は被害調査、追い出し・捕獲、侵入口の閉鎖・補修、糞尿の除去や消毒まで幅広くカバーされています。
補助額は最大10万円(実費がこれより低い場合は実費が上限)です。駆除のみを行う場合は上限5万円となります。
対象となる建物の条件が限定的な点には注意が必要ですが、古い戸建てにお住まいの方は該当する可能性がありますので、一度自治体に問い合わせてみる価値があります。
ただし、こうした直接的な補助金を実施している自治体はやはり少数派です。多くの自治体では、補助金よりも「捕獲」そのものにかかる専用の檻(箱罠)の貸し出しや、回収・処分といった実務的な無償支援に力を入れているのが実態です。
なお、各自治体における補助金制度は、毎年の予算上限や制度の改定などにより内容が変わる可能性もあります。具体的な条件や実施状況については、お住まいの市区町村の窓口に直接確認するようにしましょう。
アライグマの「捕獲」支援制度は無料が主流

アライグマの駆除自体に直接的な補助金を出す市区町村は限られている一方で、アライグマの「捕獲」作業を無償で支援している自治体は非常に多く存在します。
これは、アライグマが外来生物法上の「特定外来生物」に指定されているためで、国だけでなく都道府県や市区町村にも防除の責任が課されていることが主な理由です。
ハクビシンのような在来の鳥獣は「鳥獣保護管理法」の枠組みで対応されるのに対し、アライグマは「地域からの根絶すべき対象」として扱われています。そのため、行政自身が捕獲を主導したり、罠の貸し出しや回収を行ったりといった支援が、住民の費用負担なしで利用できるケースが多くなっています。
一例として、東京都世田谷区では次の捕獲支援を行っています。
捕獲支援の事例:東京都世田谷区
東京都世田谷区は、アライグマの箱わな捕獲事業を次の内容で実施しています。
・捕獲カゴの貸し出し
→あり
・捕獲カゴの設置
→業者を手配してくれる(ただし捕獲用のエサは自分で用意する必要がある)
・屋根裏など住宅内への捕獲カゴの設置
→原則として屋外のみ
・捕獲したアライグマの処分
→区が手配した業者が回収・処分する
・犬や猫などの違う動物が捕獲された場合
→自分で逃がす処置が必要
多くの市区町村でも、同様の無料で利用できる捕獲支援制度を設けています。まずはご自身で無理に何とかしようとせず、お住まいの自治体の相談窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
アライグマの捕獲に関する法的な注意点については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
アライグマ駆除費用は「雑損控除」で節税が可能

続いて、見落とされがちではあるものの非常に実用的な制度である「雑損控除」について解説します。
ここまでにご紹介した自治体の補助金や捕獲支援には地域ごとの条件や限界がありましたが、雑損控除は正しく確定申告を行えば、全国どこでも活用でき、アライグマの駆除や被害場所の修繕にかかった費用も対象になり得ます。
雑損控除とは、災害や盗難、さらには害獣・害虫の被害などによって住宅や家財に損害を受けた場合に受けられる所得控除の一種で、所得税や住民税の負担を軽減できる制度です。適用されるかどうかの判断基準は「日常生活に必要な資産(住まいなど)が害獣によって損害を受けたかどうか」で、加害動物が外来生物であるか在来種であるかといった法律上の分類は関係ありません。
目安として、例えばアライグマの駆除や被害箇所の修繕に合計30万円の費用がかかった場合、ご自身の所得税率にもよりますが、おおむね3万円~6万円の節税効果が見込めます。
雑損控除でいくら節税できる?
では、実際に雑損控除を適用すると、どれほどの節税効果があるのでしょうか。
一例として、年収400万円(手取り約270万円)の方が、アライグマの駆除に合計30万円を支払ったケースを想定して試算してみましょう。
雑損控除額の計算例
雑損控除の控除額を算出する計算式には、法律で以下の2通りが定められており、金額が大きい(税金がより安くなる)方が採用されます。
計算式A:(損害金額 + 駆除・修繕費用)-(総所得金額 × 10%)
計算式B:(駆除費用などの災害関連支出の金額)- 5万円
害獣駆除のケースでは、計算式Bのほうが控除額が高くなることが多いため、ここでは計算式Bに当てはめて試算します。
B:30万円 - 5万円 = 25万円
したがって、雑損控除額は「25万円」となります。
所得税の還付額の計算
続いて、先ほどの雑損控除額をもとに、実際にどれくらいの所得税が手元に戻ってくるのか(還付額)を計算してみましょう。
年収400万円の場合、基礎控除や社会保険料控除などを差し引いたあとの課税所得は195万円以下に収まることが多く、所得税率は「5%」が適用されます。
所得税の還付額:25万円 × 5% = 12,500円
復興特別所得税(2.1%)を含めると:12,500円 × 1.021 = 12,762円
以上の計算から、今回のケースにおける所得税の還付額は「12,762円」となります。
確定申告を正しく行うことで、毎月の給与から天引き(源泉徴収)されていた所得税の中から、上記に相当する金額が指定口座に還付(振り込み)されます。
なお、所得税はご自身の所得が上がるほど適用される税率も高くなるため、高所得の方はさらに節税効果(還付金)が大きくなります。
住民税の減額分の計算
住民税の所得割の税率は、お住まいの地域や所得にかかわらず原則として一律10%となっています。
住民税の減額分:25万円 × 10% = 25,000円
所得税とは異なり、こちらはすでに支払った税金が口座に還付されるわけではありません。翌年度に支払う住民税の毎月の天引き額(または納税額)から、上記に相当する金額が差し引かれる形で負担が軽減されます。
節税額の合計の計算
ここまでの試算をまとめると、今回のケースで軽減・還付される税金の合計額は以下のようになります。
節税額の合計: 12,762円(所得税の還付) + 25,000円(翌年度の住民税の軽減) = 37,762円
このように、今回のケースでは総額「37,762円」もの経済的な負担を軽減することができました。
確定申告を行うための書類準備や手続きの手間は多少かかりますが、アライグマの駆除や修繕を行ったほとんどの方が対象となりますので、ぜひ活用を検討してみましょう。
雑損控除の対象となるケース、ならないケースの違い
雑損控除が適用される原則は、「日常生活に必要な資産(住まいなど)が害獣によって実際に損害を受けた場合」である点にあります。
対象とならないケース
次のようなケースは、「生活に必要な資産が損害を受けた」とみなされないため、雑損控除の対象外となります。
- 予防目的のみの工事(被害を未然に含めための穴塞ぎなど)
→害獣による損害が発生していないため対象外となります - 普段暮らしていない別荘でのアライグマ駆除
→「日常生活に必要な資産」に該当しないため対象外となります - アライグマ駆除と直接関係のない工事を同時に実施した場合(外壁塗装や屋内のリノベーションなど)
→アライグマ被害とは無関係な費用が含まれるため対象外となります
対象となるケース
一方で、普段生活している自宅がアライグマによって実際に被害を受け、その修復が必要となった場合は基本的に対象となります。
・アライグマの糞尿で汚損した天井板や壁紙の貼り替え費用
・アライグマにかじられたり引っかかれたりして破損した柱・壁・床の修繕費用
・糞尿や営巣によって損傷した断熱材の交換費用(同等性能以下のものに限る)
雑損控除の注意点:領収書と施工前後の写真を忘れずに
確定申告の際に雑損控除をスムーズに申請するためには、証明資料の保管が非常に重要です。
まず、業者に支払った際の領収書は必ず保管しておきましょう。領収書の但し書きは「アライグマ駆除費用として」でも基本的に問題ありませんが、より確実にするために「アライグマ被害に伴う原状回復費用として」と記載してもらうとさらに安心です。
また、具体的な費用の内訳がわかる詳細なお見積書やご契約書も忘れずに保管しておきましょう。
さらに、被害の状況や施工の前後がひと目でわかるビフォーアフター写真も大切に保管しておいてください。
私たち害獣駆除パートナーでは、領収書の発行、内訳を明記したお見積書の作成、そして施工前後の写真のご提供まで対応しております。関東エリアでアライグマの被害にお困りの方や駆除をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。
なお、アライグマ駆除の費用相場については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

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アライグマ駆除に「火災保険」は下りる?

「アライグマの駆除や修繕費用に火災保険は適用できないのだろうか?」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、結論から言うと、アライグマ被害に火災保険を適用することは現実的に難しいと言わざるを得ません。
というのも、大半の火災保険における約款では、「害獣・害虫によって生じた損害」は原則として免責事項(補償対象外)と定められているためです。
ただし、例外的なケースとして、台風で自宅の屋根が破損し、その隙間からアライグマが偶然侵入して家屋を荒らしたような状況であれば話が変わります。この場合、被害の根本的な原因が害獣ではなく「風災」にあるとみなされ、屋根の修理費用に加えてアライグマの駆除や関連する修繕費用にも保険が適用される可能性があります。
もっとも、このようなケースの場合、「台風被害の前にアライグマの被害は一切なかった」ことを客観的に証明する必要があります。まずはご自身が契約中の損害保険会社へ直接相談してみることをおすすめします。
アライグマ駆除費用を抑える方法

ここまで、自治体の補助金や捕獲支援、そして税制優遇である「雑損控除」について解説してきましたが、アライグマの駆除にかかる「そもそもの費用」を抑える工夫も考えておくことが大切です。
総合的にアライグマ駆除の金銭的負担を抑えるためには、以下のポイントにもぜひ注意してみてください。
方法①:複数業者の相見積もりを取る
アライグマ駆除の費用は業者によって大きなバラつきがあります。「すぐに来てくれたから」というような理由で即決してしまうと、相場を大きく超えた金額で契約してしまう可能性もあります。
必ず複数の業者で見積もりを取り、金額・保証・アフターフォローなどの様々な観点で比較することが重要です。
アライグマ駆除の費用相場については、以下の記事で詳しく解説しています。
方法②:再発時の保証が付いた業者を選ぶ
アライグマ駆除では、侵入経路の見落としや穴塞ぎの不良(アライグマに壊されてしまう)により再発してしまうケースも存在します。
このような場合、「再発保証付き」の業者なら、無償で対応してくれる可能性があります。
安くても保証が無い場合には、こうした再発時に繰り返し出費が必要になり、最終的に高額に膨らんでしまう危険性もあるため、万が一の場合に備えて「保証付きの業者」を選ぶようにしましょう。(住宅の構造などによっては保証を付けられない住宅も存在します)
方法③:被害を疑ったら早めに対処する
アライグマ被害は放置すればするほど高額になっていきます。
屋根裏の糞尿は時間が経過するほど蓄積されるため、清掃費用も増加します。壁紙の張り替えや、天井板の交換が必要になる可能性も上がります。
アライグマ被害が疑われる場合には早急に駆除業者に連絡をしましょう。早ければ早いほど、かかる費用を抑えることができます。
害獣駆除業者の選び方については以下の記事もご参照ください。

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アライグマ駆除の補助金に関するQ&A
Q. 補助金の申請は「駆除後」でも間に合いますか?
A. 多くの自治体では「駆除前」の事前申請が必須です。着手前に必ず自治体へ確認しましょう。
Q. 空き家や賃貸物件の被害にも雑損控除を使えますか?
A. 使えません。雑損控除は「生活に必要な資産」の損害が対象のため、空き家や賃貸物件は原則対象外です。
Q.アライグマ駆除の際に、屋根裏の断熱材を交換しました。雑損控除で計上できますか?
A. 断熱材が糞尿で汚れてしまい、現在の断熱材と「同等の性能のもの」に交換した場合であれば、雑損控除で全額計上できる可能性が高いです。しかし交換後の断熱材の方が高性能なものであれば、一部の費用(費用の30%等)しか計上できない可能性が高いです。詳しくは税務署などに確認するようにしましょう。
Q. 害獣駆除業者に「火災保険を使って工事できる」と言われたのですが?
A. 記事内で紹介した特殊な事例(災害が原因でアライグマが侵入)では火災保険が適用される可能性がありますが、あくまで稀な例となります。また、火災保険が適用できるか否かを見極めるのは害獣駆除業者ではなく契約している保険会社です。まずはご自身で保険会社に連絡をし、「本当に火災保険が使えるのか?」を確認する事が重要です。
Q. 業者によって見積もりに大幅な違いがあるのはどうしてですか?
A. 保証内容や期間などの要因もありますが、多くは「作業範囲」の違いによって費用に差が出ます。例えば、アライグマの「追い出しと侵入経路の封鎖」のみを行う業者もあれば、その後の「フン清掃や消毒」まで実施してくれる業者も存在します。こうしたアライグマ駆除における作業内容や相場の違いについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧下さい。
まとめ
ここまでにアライグマ駆除に関する補助金について解説いたしました。重要なポイントは以下です。
・アライグマ駆除について金銭的な支援を行っている自治体は少ないですが、実施する前には必ずお住まいの市区町村に相談をして補助金の有無を確認するようにしましょう。
・実際にアライグマ駆除を行った場合には、翌年の2月~3月に確定申告を行えば実質的な費用負担が減るので覚えておきましょう。
ここまでに紹介した補助金や雑損控除を活用して、少しでもお得にアライグマ駆除を行うようにしましょう!



