「庭の果実や野菜が荒らされている」
「夜中に外でガサガサと物音がする」
このような形跡があれば、アライグマの仕業かもしれません。アライグマは雑食性で何でも口にしますが、その中でも特に「熟した甘い食べ物」を好物としています。
たとえば果実なら「スイカ」、野菜なら「トウモロコシ」「サツマイモ」、また人間が食べる「ドーナツ」や「菓子パン」などもアライグマの好物として知られています。
アライグマの食べ物の好き嫌いを知れば、「なぜ自分の家が狙われたのか?」のヒントが得られると同時に、被害を防ぐための対策も考えることができます。
この記事では、アライグマの食べ物の好き嫌いと、食性を利用した具体的な被害対策を詳しく解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次
アライグマが「好物」とする食べ物の一覧
最初に、アライグマが「好物」にしている食べ物を順にご紹介します。
好物①:熟した果実

アライグマは雑食性であり、口にできるものはほとんど何でも食べますが、中でも大好物なのが「よく熟した甘い果実」です。特に以下のような果実を好んで食べます。
- バナナ
- リンゴ
- 柿
- ブドウ
- スイカ
農家の間では「アライグマに食べられたら、それは食べ頃の証拠」と言われるほど、アライグマは旬の食べ物にこだわりを持っています。未熟な果実にはあまり手を出さず、糖度が上がって熟すのを待ってから食べるという、賢さを感じさせる習性が知られています。
好物②:野菜

アライグマは果実だけでなく野菜も好んで食べます。特に「トウモロコシ」「サツマイモ」「カボチャ」といった糖度の高い野菜を好物としています。
中でもトウモロコシの被害には特徴があり、アライグマは実だけを狙うのではなく、茎ごと倒してから実を食べるという行動が見られます。この「茎を倒して食べる」という被害の出方は、同じくトウモロコシを好む他の害獣との見分け方の一つにもなっています。
アライグマによる農作物被害は深刻で、令和5年度における全国の農作物被害金額は4.8億円にのぼりました。
参考:野生鳥獣による農作物被害状況(令和5年度)|農林水産省
好物③:季節で変わる昆虫・小動物・水辺の生き物
アライグマの食性の大きな特徴は、季節によって食べるものの種類が変化する点です。
春から夏にかけては、繁殖や体づくりに必要なタンパク質を補うため、バッタやコオロギといった昆虫、カエルやザリガニ、小型の鳥類とその卵などを積極的に食べる傾向があります。秋になると、冬に向けてエネルギーを蓄えるため、糖分の多い果実や種子を中心に食べるようになります。
またアライグマは木登りだけでなく水辺での活動も得意で、川や池ではエビ・カニ・ザリガニ・小魚などを好んで捕食します。ご家庭で鑑賞用に飼育している金魚や鯉が、アライグマの被害に遭うケースも報告されています。
なお、「アライグマ」という名前から食べ物を水で洗って食べる動物だと思われがちですが、野生のアライグマが実際にエサを洗っているわけではありません。水辺でザリガニや小魚を前足で押さえたり引き上げたりする仕草が、あたかも「洗っている」ように見えることから、この呼び名が定着したとされています。
好物④:人間・ペットの食品
アライグマは人間の加工食品にも手を出します。特に高カロリーな「菓子パン」や「スナック菓子」、匂いの強い食べ物はアライグマの好物です。アライグマは夜行性で、暗い場所でも嗅覚を頼りにエサを探すため、香りが広がりやすい食べ物ほど見つけられやすくなります。
実際の捕獲事例でも、お菓子の「キャラメルコーン」や「かりんとう」「ピーナッツ煎餅」などが使われることがあります。
これらは人間が出すゴミに混入されているため、アライグマが出没する住宅地ではゴミ置き場が荒らされる被害が発生します。
またドッグフードやキャットフードもアライグマのエサとなります。屋外にペット用のエサや水飲み皿を放置しておくと、アライグマに荒らされることがあります。
アライグマが「苦手」な食べ物・成分の一覧

反対に、アライグマが「苦手」とする食べ物・成分も存在します。どれも刺激や匂いの強いものであり、具体的には次のような食材・成分です。
- トウガラシ(辛み成分「カプサイシン」が刺激)
- ニンニク(主成分「アリシン」の強烈な匂い)
- タマネギ(成分「硫化アリル」の刺激を持つ)
- ハーブ類(ミント、ハッカ、ラベンダーなど)
- 酢、木酢液(もくさくえき)
このような食べ物・成分は、アライグマの対策グッズとしても活用されています。
知っておきたいアライグマの特徴・習性
具体的な食べ物の好き嫌いの他に、アライグマの特徴的な習性もご紹介します。
糞(フン)から見るアライグマの食性
アライグマの糞は雑食性を反映して、昆虫の殻や種、魚の骨などさまざまな内容物が混ざっているのが特徴です。また、決まった場所で繰り返し排泄する「溜め糞」の習性があり、強烈な悪臭を放つことでも知られています。この強い臭いは、果実由来の比較的マイルドな臭いを持つハクビシンの糞と見分ける際のポイントの一つになります。


住まいの周辺や庭先でこうした特徴を持つ糞を見つけたら、アライグマが近くに潜んでいる可能性が高いです。アライグマの糞について詳しくは以下の記事を参考にしてください。
前足の器用さと水辺・樹上での高い身体能力
アライグマは前足が非常に器用で、複雑な動きを要する採餌行動が可能な点が他の中型哺乳類と大きく異なる特徴です。木登りも得意なため、庭木を伝って屋根や2階のベランダまで容易に到達できます。

以下の動画では、アライグマが住宅の軒下(のきした)から屋根裏に侵入する様子が捉えられています。
このように、アライグマは自力で高所や水辺の食べ物にアクセスできるため、果樹や池のある庭は特に被害に遭いやすくなります。
好物のある場所を「記憶」し、繰り返し訪れる習性

アライグマには帰巣本能があり、一度気に入った食べ物やエサ場を見つけると、その場所を記憶して繰り返し訪れる習性があります。そのため、一度食害に遭うと「好物のある場所」と認識されてしまい、被害が継続・拡大しやすくなります。
またアライグマは夜行性で、人間が寝ている時間帯に活発に動き回ります。夜中に庭で物音がしたり、朝見たら作物が荒らされていたりするなら、自宅周辺がアライグマの行動範囲になっている可能性があります。アライグマの活動時間については以下の記事も併せてご覧ください。
アライグマが住宅に侵入すると発生する被害
続けて、アライグマが住宅に侵入してしまった場合に、どのような被害が発生するかを解説します。
アライグマは、住宅に侵入すると屋根裏や床下に住み着く可能性が高いです。夜行性であるアライグマにとって、外敵の心配がなく安全に過ごせる屋根裏や床下は好都合な住処となります。
被害①:鳴き声や足音などの「騒音被害」
上記の動画は、アライグマが住宅の屋根裏に侵入している様子を捉えた映像です。
屋根裏にアライグマが定着すると、夜間から早朝にかけて足音や鳴き声が聞こえるようになります。この騒音が「精神的にとても苦痛だ」という訴えは多く、ストレスが大きいと神経症や睡眠障害といった症状に至ることもあります。
被害②:糞尿による住宅の損耗・環境悪化

アライグマは安全な場所で繰り返し排泄する「溜め糞」の習性があるため、屋根裏に糞尿が蓄積していきやすい動物です。悪臭や衛生被害をもたらすほか、糞尿の重みで天井板が抜け落ちそうになるケースも確認されています。最悪の場合は住宅のリフォーム工事が必要になり、多額の修繕費がかかることもあります。
被害③:感染症や寄生虫による「健康被害」

アライグマの身体にはダニやノミが付いており、侵入されると屋内で大量に発生することがあります。触れると激しい痒みや皮膚炎、アレルギーを引き起こす可能性があります。
またアライグマは、餌を求めて側溝やゴミ置き場を歩き回る中で病原菌を身体に付着させ、そのまま屋根裏に持ち帰ることがあります。国内での発症例は確認されていないものの、アライグマは海外では狂犬病ウイルスを保有する動物としても知られており、十分な注意が必要です。
アライグマが住宅に侵入した場合の危険性などについては以下の記事も併せてご覧ください。
アライグマ被害を防ぐ方法:好き嫌いを利用した対策

上述した被害を防ぐためには、何をすればよいのでしょうか?
本記事のテーマである「食べ物の好き嫌い」を利用して、アライグマの被害を防ぐことができます。具体的な対策をご紹介します。
対策①:苦手な臭いがするものを置く
アライグマは刺激の強い匂いを嫌います。「お酢」や「木酢液」などをペットボトルに入れてフタを締めずに置いておくと、一定の忌避効果が生まれてアライグマを遠ざけることができます。
ホームセンターでは害獣用の忌避剤も販売されており、置いておくだけで効果を発揮するシートタイプや粉剤タイプのものもあります。
対策②:果実は熟す前に収穫する

庭の果樹は伐採するのが最善の対策ですが、難しい場合は「熟しきる少し前」に収穫を済ませてしまう方法があります。アライグマは十分に熟した果実を好むため、寄り付く前に収穫してしまえば被害の減少につながります。
地面に落ちた完熟果実も労せず食べられるためアライグマを呼び寄せる要因になります。落下した果実は速やかに取り除き、周辺の清掃を行いましょう。
対策③:家庭菜園・池の被害を防ぐ
家庭菜園を行っている場合は、ネットを掛けたり柵で囲ったりして侵入できないようにしましょう。アライグマは力が強く、わずかな隙間でも通り抜けるため、網目の細かいネットを使用し支柱をしっかり固定するといった工夫が必要です。
観賞用の金魚や鯉を屋外の池で飼育している場合は、池に頑丈な網を張るなどの対策も有効です。大規模な農地では電気柵の設置も効果的ですが、設置コストがかかるため一般住宅では他の対策と併用するのが現実的です。
対策④:生ゴミは手の届かないところに置く

屋外に生ゴミを置いている場合は、屋内保管への切り替えや、すぐの処分を心がけましょう。屋外に置く必要がある場合は、フタがロックできる頑丈なゴミ箱を使用します。
対策⑤:ペットのエサや飲み水は屋内に置く
屋外に置いたペットフードやペットの飲み水はアライグマを寄せ付ける原因になるため、屋内に移しましょう。こまめに片付けることが被害予防につながります。
アライグマの「捕獲」の方法

アライグマの好物を知ることは、捕獲において非常に役立ちます。罠に好物を設置することで捕獲率を上げることができるからです。
ただし、単純に「罠の近くに好物を置いておく」だけではうまくいかないこともあります。以下のようにエサの置き方を工夫することで、捕獲できる可能性が高まります。
捕獲のコツ①:数日前から好物を置いておく
罠を設置する場所を決めたら、数日前からその場所にアライグマの好物を置いておきましょう。アライグマは今までなかった場所に突然食べ物を見つけても、警戒して食べないことがあります。数日かけて「この場所に好物がある」と認識させることで、警戒心が薄れて捕獲の成功率が上がります。
捕獲のコツ②:罠の入口や奥にも好物を置いておく
捕獲カゴを設置する場合は、「入口→中央→奥」とカゴの奥までアライグマを誘導するようにエサを配置しましょう。
奥まで入り込みやすくなり、捕獲の成功率が上がります。
アライグマの捕獲は法律違反?

アライグマの好物を利用した捕獲のコツをお伝えしましたが、そもそも個人が無許可でアライグマの捕獲を行うことは「鳥獣保護管理法」によって禁じられています。無許可で捕獲を行った場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。
さらに、アライグマは「外来生物法」に基づく特定外来生物にも指定されているため、無許可で飼育・運搬・譲渡なども禁止されています。こちらに違反した場合、個人には3年以下の懲役または300万円以下の罰金と、さらに重い罰則があります。
そのため、まずはお住まいの市区町村の担当窓口に相談し、必要な許可を得たうえで捕獲を進める必要があります。多くの自治体では、防除計画に基づいて捕獲カゴの無償貸し出しを行っているため、まずは窓口に問い合わせてみましょう。
住宅内に侵入したアライグマは「追い出し」が必要

既にアライグマが屋根裏に侵入している場合は、早急に屋根裏から「追い出す」ことが必要です。先述した罠を屋根裏に仕掛けることも有効ですが、我々のような専門業者は、アライグマが嫌がる成分を含んだ専門の薬剤を散布することで確実な「追い出し」を行います。
なお、屋根裏に侵入したアライグマを無事に追い出せても、侵入口を封鎖しないと再び他の個体が侵入してくる可能性があります。追い出しに成功した後は、衛生被害を防ぐため糞の清掃や殺菌消毒を行う必要があります。
これらを個人でやり切るのは非常に難しいため、アライグマが住宅に侵入した場合は、無理にご自身で対応しようとするより、害獣駆除業者の専門家に相談いただくことをお勧めします。専門業者によるアライグマ駆除の費用は、10万~30万円前後が相場です。費用の内訳や安く抑えるコツについては以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
アライグマの好物に関するQ&A
Q. 庭の果樹を全て収穫してしまえばアライグマは来なくなりますか?
A. アライグマは帰巣本能が強いため、一度好物が無くなっても定期的に確認に来る恐れがあります。果物が無くなると、今度は近くの生ゴミやペットフード、池の魚を狙うなどして定着が続く可能性もあります。被害が繰り返し起こる場合は捕獲の検討をおすすめします。
Q. 冬は果実が少ないので被害は減りますか?
A. いいえ、冬は果実や昆虫が減るため、人間が捨てる生ゴミを狙うようになります。またアライグマは寒さの厳しい時期に暖かい住処を求める傾向があるため、住宅の屋根裏などへの侵入被害はむしろ冬場に増える傾向があります。
Q. アライグマが近くにいると、犬や猫が襲われてしまう危険性はありますか?
A. アライグマは気性が荒く攻撃的な一面もあるため、小型犬や猫が襲われるリスクはゼロとは言えません。直接襲われなくても、ダニ・ノミや病原菌がペットに移ってしまう可能性があるため、接触は避けましょう。屋外のペット用の水飲み皿にアライグマの痕跡があった場合は、共有しないよう注意してください。
Q. トウガラシやハーブの匂いの忌避剤を使用しても追い出せないことはありますか?
A. 追い出せないことがあります。これらの匂いはあくまで忌避効果にとどまり、アライグマの体に直接作用するものではないため、匂いに慣れてしまうと効果が薄れます。市販の忌避剤を繰り返し使用した後では、専門業者が追い出しを行っても効果が出にくい場合があります。
Q. アライグマを寄せ付けない対策を業者に依頼できますか?
A. 住宅に被害が無く「庭に来るアライグマをどうにかしたい」という程度であれば、まずは自治体に連絡して捕獲を相談するのがよいでしょう。我々のような害獣駆除専門業者は、住宅に侵入したアライグマの追い出しや侵入経路の穴塞ぎ作業、衛生処理などを包括的に実施するのが主な役割となります。
まとめ:アライグマの好物を知ることが住まいを守る
本記事では、アライグマの好物について解説いたしました。アライグマ被害を食い止めるためには、彼らの「食」の好みを正しく理解し、家を「エサ場」にさせないことが何より重要です。本記事の重要ポイントを改めて振り返りましょう。
- 最大の好物は「熟した甘い食べ物」
→庭に果樹があるとアライグマを寄せ付けてしまいます。 - 「季節」で好物が変わる
→春は昆虫やカエル、秋は果実や種子と、時期によって狙われるものが異なります。 - 苦手な物を理解して対策を
→トウガラシやハーブ系の匂いを利用した対策を行いましょう。 - 好物を利用して捕獲率アップを
→エサの置き方で捕獲率を上げられますが、事前に自治体への申請を忘れずに。
アライグマ対策はスピードが肝心です。一度「好物がある場所」と認識されてしまうと、繰り返し被害に遭う恐れがあります。記事内の対策を行いつつ、被害が収まらないようなら自治体の支援を受けて捕獲を行うか、害獣駆除専門業者に相談するようにしましょう。





